千成ひょうたんの育て方や栽培のコツは、
普通のひょうたんと大きくは変わらない。
そんな千成ひょうたんといえば、
豊臣秀吉を思い浮かべる人も多いと思う。
戦のときに大将が乗る馬の近くに立てた目印を
馬印と呼ぶんだけど豊臣秀吉はひょうたんを馬印にしていた。
豊臣秀吉が馬印にした、
千成ひょうたんの育て方と栽培のコツについて今回まとめた。
千成ひょうたん 育て方の流れとしては…
- 3月下旬~4月上旬:種蒔き&畑作り
- 4月下旬~5月上旬:定植(苗の植え付け)
- 5月下旬:棚作り・追肥
- 6月上旬:摘芯
- 7月中~下旬:摘果と選果
- 9月上~中旬:収穫
大雑把な流れとしては上記の通り。
ひょうたんの特徴
高温と強い光が大好きで、
排水のよい肥沃な土を好む。
茎は日に10㎝以上も伸びる、
低温と台風にはとても弱い。
千成ひょうたんの育て方 ポイント
定植(植え付け)させる場所の条件
日当たりが良い。
風通しが良い。
プランターを使うのなら大型のものを選ぶ
定植時期
地域ごとに違いがある。
定食の目安は本葉が4,6枚になる頃
定植後の水遣り
土が乾きだしたらたっぷりの水を
定植後の天候への対策
霧対策:ホットキャップを作る(ビニールなどで)
乾燥対策:根本に藁(わら)や刈草を
千成ひょうたんの育て方 品質向上のポイント
ひょうたんの肥料
千成ひょうたんの着実には、
沢山の肥料が必要となる。
だから5月に入ったら追肥をお忘れなく。
千成ひょうたんの果実
ひょうたんの果実は、
親ヅル<子ヅル<孫ヅル
このような順序で果実の量が多くなる。
(孫ヅルの果実が一番多い)
放任状態では果実が少なくなってしまうから
子ヅル(わき芽)などが発生しやすいように
手を加えることが大切になる。
摘果や選果
千成ひょうたんのような小さな果実のものは、
摘果や選果が必要ない。
ひょうたんに多い病気や虫害
- うどんこ病
- ツル割れ病
- ネコブセンチュウ
- アオムシ
- ウリハムシ
千成ひょうたんの葉が黄色になった場合
千成ひょうたんの葉が黄色になる原因は、
べと病と栄養不足のどちらかである場合が多い。
べと病の場合
べと病の原因となる菌は土壌の中に当たり前いる菌で、
得に肥料切れや湿気が多い場合に発生しやすい。
栄養不足の場合
千成ひょうたんの葉が黄色くなる現象は、
栄養不足の場合も多い。
栄養不足の場合は以下の特徴がある。
- 下の葉=黄色
- 上の葉=健全
栄養不足で葉が黄色くなる理由
足りていない栄養素はチッ素やマグネシウム。
チッ素やマグネシウムは体内で移動しやすい成分であるため
新しく出来た葉や枝を生かすために古い葉から移動して
古い葉が黄色くなってしまう。
チッ素やマグネシウムは葉緑素を構成しているため、
失った場合には葉緑素の消失が起こるため黄色くなる。
栄養不足への対策
栄養不足への対策は以下の2つを行う
チッ素、リン酸、カリを含む配合肥料や液肥を追肥する。
マグネシウムの補給も行う
栄養不足時 追肥の行い方
- 配合肥料=大サジ半分程度を10日に1回の割合
- マグネシウムの補給=ニガリを小さじ半分程度を見ずに薄めて与える
千成ひょうたんの育て方 詳細
3月下旬~4月上旬
定植のための準備として種まきと畑作りを行う。
植える穴の大きさ
半径:25m前後
深さ:35cm前後
上記の穴に入れる元肥
- 2Lほどのたい肥
- 炭酸カルシウムを50程度
- 化成肥料を40g
この元肥を先に用意した穴に入れる。
※4月上旬からの定植を考えると、
定植予定日の2週間前には、
元肥までの作業を終えておきたい。
4月の下旬~5月上旬
定植を行う
定食の目安は本葉が4,6枚になる頃
5月下旬~6月に入るまで
追肥と棚作り
追肥は2回行うことになる。
- 定植から2週間経つ頃に追肥を行う。
- 更に棚上までツルが伸びたら2回目の追肥の合図
(この頃に雌花が咲く)
追肥は即効性の化成肥料を使用したりする。
ツルが伸びたことを確認したら、
竹などを使って柱を作り更に棚を作る。
6月上旬
摘芯を行う。
ツルが棚の上部に伸びたことを確認したら摘心の合図。
ひょうたんは、親ヅル<子ヅル<孫ヅル
このような形で実る果実が多くなるため、
手を加える必要が生まれてくる。
摘芯の行い方
- 親づる(主茎)が棚の一番上に届くまではわき芽をかき取る。
- 親づる(主茎)が頂上に届く頃に先端を摘心する。
- 更に子づるが6節くらいに伸びる頃に先端を摘心する。
つるが均一になるように誘引しながら、
紐を使って支柱に留めていくことも大切。
果実を多く実らせる作業も行う。
ひょうたんの花は夕方から早朝に白い花を咲かせる。
だから受粉の作業などは夕方からになる。
ひょうたんの花は雄花と雌花が別々に咲き、
雌花よりも雄花が多い。
雌花と雄花を見分けるコツは、
花托の元のふくらみ。
雌花は花托の元のふくらみがヒョウタン型。
受粉を確実に行うために雄花の葯(やく)をちぎって
雌花の柱頭に黄色くなるくらい花粉をつける。
7月中旬~7月下旬
この時期には通常のひょうたんであれば、
摘果や選果などを行う必要がある。
でも小さい千成ひょうたんは摘果などが必要ない。
9月上旬~9月中旬
果皮が白くなると収穫可能。
葉が枯れるまでが収穫の猶予期間。
千成ひょうたん 育て方と栽培のコツ まとめ
今回は千成ひょうたんの育て方と栽培のコツをまとめた。
千成ひょうたんも含めてひょうたんの全ては、
手間を掛けるほど応えてくれる植物と言われている。
気軽には育てられなかもしれないけれど、
育て上げたときの喜びは計り知れない。