お盆になると迎え火や送り火など、様々な日本の伝統に触れる機会が増える。
でも迎え火や送り火の正しい知識は、意外と知られていない。
今回はお盆、迎え火、送り火についてのお盆知識をお伝えする。
そもそもお盆とは何?
お盆のルーツは盂蘭盆経というお経。
これに日本古来からの民俗信仰にある、亡くなった人の霊が帰ってくるという考えが組み合わさって出来たのが現在のお盆。
日本の民俗信仰に置ける魂
日本の民俗信仰では、亡くなった方の魂は以下の2つに分かれると考えられている。
- 浮かばれる魂(気のたましい)→天に還る
- 草葉の陰の魄(形のたましい)→地に還る
上記を考慮した上でお盆という風習を説明すると、お盆の時期になると天に還った魂が地に還った魄のあるお墓に帰ってくるので、ご先祖様の魂をお迎えしようという内容になる。
迎え火と送り火の正体
お盆で迎え火をするのは、現世で家に来るのに迷わないようにするための目印とするため。
そして送り火するのは、ご先祖様があの世に帰るのに迷わないための目印という意味がある。
お盆の迎え火とは?
内容が先の記事と重なるけど、2つに分かれ天に還った魂が帰ってくるのがお盆。
そして天に還った魂が最初に帰るのは、地に還った魂のある場所であるお墓。
迎え火とはお墓に帰ってきた先祖を、自宅に迎えるための目印。
昔と今とでは違う迎え火
昔であればお墓へ行って迎え火を焚いていた。
現在はお墓が自宅から離れている人も多くなり、迎え火は自宅で焚く形が主流になりつつある
迎え火&送り火の正しい行い方
昔はお墓にいき迎え火を焚いていた。
しかし近年では、自宅で迎え火と送り火を焚くことが通例となっている。
今回は自宅で迎え火や送り火を焚く方法をまとめる。
ただし地域ごとにお盆の風習は、大きな違いがある場合もあるので注意が必要。
迎え火&送り火の基本知識
迎え火と送り火は、関東と関西とで行う日が違うので注意。
でも行う時間帯の方は特に決まっていないので、都合の良い時間帯に行うようにしよう。
ただし迎え火や送り火は、暗い場所で焚く事でご先祖様が移動するときの目印にするためのもの。
だから行う時間帯は、夕方以降の暗くなってからというのが一般的。
- 関東方面のお盆は旧暦
7月13日が迎え火
7月16日が送り火 - 関西方面のお盆は1カ月遅れ
8月13日が迎え火
8月16日が送り火
迎え火や送り火は、実際に火を使うのが古くからの行い方。
行い方には色々とあるけど、ここでは一般的な方法をまとめておく。
- 家の門口にて焙烙の中でオガラを積み重ねておく。
- 新聞紙などに火を付けて1.に燃え移らせる。
最近では安全な盆提灯をつかって電灯を灯すだけの人も増えてきている。
お盆の定番、精霊棚について
精霊棚というのは、位牌、牛や馬をかたどった茄子や胡瓜を置いてある、お盆の間だけ用意される棚。
最近では仏壇をキレイに掃除した後、仏壇を飾り付けるだけという所も多くなっている。
ここでは精霊棚の基本的な作り方についてお伝えする。
精霊棚の上に置く物
精霊棚作りは、まずは白い布か真菰莚を敷く事から始める。
その後で色々な物を上に置いていく。
このときに置く物には、地域や宗派による違いがある。
- 白い布か真菰莚
○真菰莚=まこもむしろを小机などに敷く。 - 位牌や仏壇を中央に置く
- 盆提灯や盆灯籠
○仏具屋さんに売っている - 牛と馬
○ナスとキュウリ
※オガラを 4本ずつ挿して牛や馬に見立てたもの - お迎えダンゴ
- 精進料理
- 盆花
○以下のどれか
キキョウ
オミナエシ
ハギ
山ユリ
蓮の花 - お送りダンゴ
○十六日にのみ精霊棚の上に置く
※お送りダンゴは土産ダンゴと呼ぶ地域もある
お盆の迎え火と送り火 恒例の馬と牛
仏壇の隣や精霊棚の端に置いてある茄子(なす)や胡瓜(きゅうり)に木の棒のようなものを挿したお盆定番の置物。
これは牛と馬を表していて、挿した木の棒のようなものはオガラ。
この牛と馬は以下の様な意味がある。
- 多くの地域での意味
馬:ご先祖様が早く来れるように
牛:ご先祖様がゆっくり帰れるように - 一部地域での意味
馬:ご先祖様が乗る
牛:ご先祖様の荷物を乗せる
この牛と馬はお盆が終わったらどうするのか?
お盆が終わったあとは、送り火と一緒に焚いたりお寺でお焚きあげする。
もしくは分別してゴミに出す。
(情緒も何もないけど時代の流れには逆らえない)
お盆とは?迎え火 送り火とは?まとめ
私の地域では、牛や馬(茄子と胡瓜)は海に流していた。
しかし近くに天文台が出来て、海に流すのに大人の事情が入りだした。
そして分別ゴミ扱いに……。
………
……
…
当時、何かが壊れた気がした。(´д`lll)
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