ハロウィンと言えば、かぼちゃのイメージが強い。
それも、ハロウィンパーティーの飾りつけでは、絶対にカボチャを外せないほどに。
このハロウィン定番のカボチャには、ちゃんとした意味と由来が存在する。
その意味と由来のキーワードはチョロイ悪魔さ(-_☆)
ハロウィンにカボチャ……なぜ?
ハロウィンの歴史をたどると、カボチャが使われ始めたのはアメリカに伝わってからだと分かる。
でもアメリカに伝わる以前──ハロウィン発祥の時代である古代ケルトではカブが使われていた。
なぜアメリカで、カボチャになったのか
アメリカではカブに馴染みが薄かった。
そのため、アメリカでたくさん獲れていたカボチャで代用された。
これがカボチャを使うようになった由来。
だから、特別な宗教的な意味とかは存在しない。
始まりのハロウィン~現代のハロウィンへ
ここでは、ハロウィンの始まりから日本のハロウィンまでの歴史をお伝えしていく。
- ハロウィンの始まりは古代ケルト。
- それがアメリカに伝わる。
- やがて日本に伝わった。
大雑把にいえば、こんな流れになるよ。
始まりのハロウィンは古代ケルトにある
ハロウィンの始まりは、古代ケルトにある。
古代ケルトのハロウィンは、宗教行事である万聖節が発祥。
万聖節の前夜には、All Hallows’Eveで収穫を祝って悪魔を払うイベントがあった。
このイベントが、独立して後のハロウィンへとなる。
このときケルト人は、サトウダイコンやカブを使い悪魔除けのランタンを作った。
この名残は、スコットランドやアイルランドでカブを使ったランタンとして残っている。
古代ケルトのハロウィンがもつ意味
古代ケルトでは、11月1日が新年だった。だから当然、10月31日が大晦日ということになる。
ハロウィンと深く関わっているのは10月31日。
10月31日には、死者の魂が家族に会うためにやってくると考えられていた。
でも、一緒に悪魔がやってくるとも──。
この悪魔が、子供をさらったり農作物や家畜にイタズラをするなど悪さをすると考えられていた。
そのため、悪魔を追い払うために仮面を被ったり、魔除けに焚火をたいたりしたとされている。
だからハロウィンというのは、元々は悪魔を遠ざけるための儀式だったというわけ。
アメリカに伝わってからカブがカボチャに
アメリカにハロウィンが伝わると、カブの代わりにカボチャが使われるようになった。
なぜカボチャが使われるようになったのかというと、その理由は以下の2つ。
- アメリカだとカボチャの収穫量が多かった
- ランタンへの加工もカブよりも行いやすかった
そしてハロウィンが日本に伝わる
日本で、ハロウィンが本格的にイベントとして行われたのは1983年。
キディランドが、販売促進の一環として行ったのが始まり。
行われたのは、原宿表参道で、イベント名は『ハローハロウィーンパンプキンパレード』だった。
当時の参加者は100人ほど。
ハロウィンの認知度が低かったため、当時の参加者は外国の方が大半だったとか。
日本で認知度が大幅に上がったのは1997年
日本で本格的に認知度が上がったのは1997年。
東京ディズニーランドが、ハロウィンイベントを行った頃。
そして2002年になると、ユニバーーサルスタジオジャパンがハロウィンイベントを開催。
こうして、最大手とも言えるテーマパークがハロウィンパーティーを行ったのをキッカケに、日本でのハロウィン認知度は一気に高まったとされている。
他にもあるハロウィンが広まった理由
大手テーマパークの活動が、日本にハロウィンを定着する大きなきっかけになったのは確か。
でも子ども英語教室でハロウィンパーティーを行ったり、SNSの普及によりイベントに参加する人が増えたなども見逃せない。
こういった小さな活動が、イベントを根付かせるのに大きな役割を果たしたとも言われている。
ハロウィンのかぼちゃ、その意味
カボチャの提灯である、ジャック・オー・ランタン。
その意味は、吊り下げ式ランプを持っている男。
この意味が生まれた背景には、ある物語が存在する。
ハロウィンの物語:1
ヨーロッパのアイルランドに、ジャックという男が住んでいた。
ジャックは酒好きで乱暴者でケチで人も騙す悪い男。
そんなジャックが、ハロウィンの夜にいつものように酒場で酒を飲んでいると、地獄の悪魔がやってきた。
ハロウィンの日には、死者の世界と生者の世界の境界が薄くなる特別な日。
この時をねらってお化けたちが人間にとりつこうとする。
悪魔もその口で……
ジャックの下へとやってきた悪魔は、口を開き「お前の魂を頂く」と告げた。
ハロウィンの物語:2
そこでジャックは、悪魔を嵌めることにした。
「俺の魂をやる。でも死ぬ前に酒を一杯奢ってくれないか?」
ジャックの言葉に一杯ぐらい奢るのなら構わないかと思い、悪魔はお金に姿を変えた。
すかさずジャックはお金に姿を変えた悪魔を財布に押し込み、財布の口を閉じた。
悪魔は必死に財布から出すように叫んだ。
「約束が違うぞ! 出せ! 今すぐ俺を出せ!」
でもジャックは、悪魔を外に出さずに取り引きを持ちかける。
「出してやるから、取り引をしないか?」
このように言うと、今後10年の間はジャックの魂を取らないと悪魔に約束させてから解放した。
ハロウィンの物語:3
そこへ、あの悪魔が……。
「約束の10年が過ぎた。今日こそお前の魂を頂こう」
悪魔は10年前の約束通りジャックの魂を奪いに来たのだった。
もちろんジャックは魂を奪われたくはない。
そこで再び悪魔を嵌めることにする。
「仕方がない……俺の魂をやろう。でもな、魂をやる前にあの木になっているリンゴを取ってもらえないか?」
悪魔は、りんごを取るぐらいいいかと木に上った。
悪魔が気に上ったのを見計らいジャックは俊敏な動きで、悪魔が上った木に十字架を刻みこむ。
十字架が刻まれ木を降りられなくなった悪魔は、必死にジャックへと懇願する。
「降ろしてくれ! 頼む降ろしてくれ!」
そんな悪魔に再びジャックは取り引きを持ちかけた。
「降ろしてやってもいいが、俺の魂を絶対に奪わないって約束してくれないか?」
涙目の悪魔は、取り引きという名の脅迫を受け入れジャックに木から降ろしてもらった。
ハロウィンの物語:4
それからさらに数年が経つと、ジャックは齢をとって死んでしまう。
最初は天国に行こうとするも、生前の行いが悪すぎて天国は受け入れてくれない。
仕方なく地獄へ行くと何度も嵌めた悪魔がいた。
悪魔にジャックは地獄に入れてくれるように頼むも……
「お前の魂を奪わないって約束したからな………だから地獄に入れてやるわけにはいかない」
その言葉を聞いたジャックは困り果てることとなる。
「なら、俺はドコに行けばいいんだ!」
「そうだな~。元いた世界に戻るしかないんじゃないか?」
どうしようもない状態になったことを知り、ジャックは来た道を帰ることにした。
だが、来た道は暗く、風がひどく吹いていたことを思い出した。
そこでジャックは悪魔に頼んだ。
「せめて灯りをくれないか。道が暗くて見えないから……」
ジャックの言葉に悪魔は、地獄で燃える火の魂を1つだけジャックに譲った。
その火の魂をカブに入れて、ジャックは提灯を作る。
こうしてジャックは、あの世とこの世を彷徨うようになった。
ハロウィンの物語:その後
このときジャックが持っていた提灯は、死んだ人間の魂を表すシンボルとなる。
さらに月日が経つと、ジャックのランタンは魔除けの灯としてハロウィンに飾られ始めた。
と、いうのがハロウィンのカボチャに関する物語。
まとめ
今回は、ハロウィンのかぼちゃの意味をまとめた。
なんというか、個人的にはハロウィンの悪魔がチョロイという印象しか残らなかった(;´▽`A“
酒をおごろうとしたり、りんごを取ってやろうとしたり……とかね。
この物語だと、ジャックが持っていたのはカブのランタンだった。
でもアメリカに渡ると、カボチャが一般的だからカボチャでランタンが作られるようになったわけ。
このチョロすぎ&善良過ぎな悪魔の話はけっこう有名みたいだよ☆-( ^-゚)v