ガソリン価格は、暮らしに直結する重要な情報。
そのガソリン価格はどのように決まるのだろうか?
また、最近高騰している理由や今後の見通しはどうなっているのだろうか?
この記事では、ガソリン価格に関する情報を詳しくお伝えさせて頂く。
ガソリン価格の決まり方とは?
まず、ガソリン価格の決まり方について説明する。
ガソリン価格は、以下の4つの要素によって決まる。
- 原油価格
- 為替レート
- 税金
- 流通コスト
原油価格
原油価格とは、石油を採掘する国や企業が取引する際の価格。
日本はほとんど自給できないため、原油を輸入する必要がある。
原油価格が高くなれば、輸入コストも高くなる。
そのため原油価格が上昇すれば、ガソリン価格も上昇する傾向がある。
この原油価格は、世界的な需要と供給のバランスによって変動する。
需要が増えれば価格が上昇し、供給が増えれば価格が下落する。
需要と供給に影響を与える要因としては、最近のもの(2023年)を挙げるのなら以下のようなものがある。
- 経済成長や景気動向
- 新型コロナウイルス感染症の影響
- 産油国や石油輸出国機構(OPEC)の生産調整
- 中東情勢や地政学的リスク
- 天候や災害などの自然現象
例えば2022年から2023年にかけては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や経済対策によって世界的な需要が回復した。
一方でOPECやロシアなどの産油国は供給量を抑制して原油市場を引き締めた。
また中東ではイランと米国の核合意問題やイラクでのテロ事件などが発生した。
これらの要因によって、原油価格は上昇傾向にある 。
為替レート
為替レートとは、日本円と外国通貨との交換比率。
日本は原油をドル建てで輸入するため、為替レートにも影響される。
為替レートが円安になれば、ドルで買った原油を円に換算する際に高くなる。
そのため、為替レートが円安に進めば、ガソリン価格も上昇する傾向がある。
為替レートは、金利や貿易収支などの経済指標や政治的・社会的な事象によって変動する。
為替レートに影響を与える要因としては、以下のようなものがある。
- 日米欧などの主要国の金融政策や金利差
- 日本の貿易収支や経常収支
- 新型コロナウイルス感染症の影響
- 米中関係や北朝鮮問題などの地政学的リスク
- 投資家のリスク回避やリスクオンの動向
例えば、2022年から2023年にかけては、米国や欧州などの主要国が金融緩和を縮小する見通しとなった。
一方で、日本は金融緩和を継続するとみられている。 これによって、日米欧の金利差が拡大し、円安圧力が高まった 。
税金
税金とは、ガソリンに課される消費税やガソリン税などのこと。
税金は、ガソリン価格の約4割を占めている。 税金が上がれば、ガソリン価格も上昇する。
税金は、政府や地方自治体の財政状況や政策目標によって変動する。
税金に影響を与える要因としては、以下のようなものがある。
- 消費税率の変更
- ガソリン税率の変更
- 地方道路特定財源制度の見直し
- 環境対策や減税措置などの政策導入
例えば2022年1月からは、ガソリン価格高騰に対応するために、政府が補助金制度を導入した。
この制度では、石油元売りに対して1リットルあたり最大20円の補助金を支給し、店頭価格を抑制することを目指している 。
流通コスト
流通コストとは、原油を精製してガソリンにする工程や、ガソリンを運搬・販売する工程でかかるコストのこと。
流通コストが高くなれば、ガソリン価格も上昇する。
流通コストは、原油精製能力や物流事情などによって変動する。
流通コストに影響を与える要因としては、以下のようなものがある。
- 原油精製所の稼働率やメンテナンス
- ガソリン需要量や在庫量
- ガソリンスタンドの数や競争状況
- 運送業界の人手不足や運賃高騰
- 天候や災害などの自然現象
例えば、2023年8月には、台風19号が日本列島を直撃した。
この台風によって、原油精製所やガソリンスタンドが被害を受けたり、道路が冠水したりした。
これによって、一部地域ではガソリンの供給が滞り、価格が上昇している 。
ガソリン価格はなぜ高騰しているのか?
次に、最近高騰しているガソリン価格の理由について解説する。
ガソリン価格は、前述した4つの要素によって決まる。
その中でも特に原油価格と為替レートの影響は大きい。
ガソリン価格は原油価格にほぼ連動する。
2022年1月には、ガソリン価格は1リットルあたり約140円であったが、2023年9月には約200円にまで上昇した。
これは、原油価格が1バレルあたり約50ドルから約80ドルにまで高騰したため。
原油価格の高騰の背景には、前述したように新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や経済対策による需要回復や、OPECなどの産油国の供給抑制や中東情勢などの地政学的リスクがある。
近年の例としては、2022年1月から2023年9月までのドル円為替レートの推移が挙げられる。
ドル円為替レートは円安傾向にある。 2022年1月には、1ドルあたり約103円であったが、2023年9月には約115円にまで下落した。
これは、日米欧の金利差が拡大したことや新型コロナウイルス感染症の影響や米中関係などの地政学的リスクがあることによる。
以上のように、原油価格と為替レートが上昇することで、日本が輸入する原油コストが高くなり、それがガソリン価格に反映されている。
このような状況を「コストプッシュ型インフレ」と呼ぶ。
コストプッシュ型インフレとは、生産者側のコスト増加が消費者側に転嫁されることで物価全体が上昇する現象。
コストプッシュ型インフレは、経済成長や所得増加とは無関係に発生するため、消費者の負担が大きくなる。
ガソリン価格の今後の見通しとは?
さて、ガソリン価格は今後どうなるだろう?
ガソリン価格の今後の見通しを予測するためには、原油価格と為替レートの動向を考える必要がある。
しかし、これらの要因は多くの不確実性を含んでおり、正確な予測は困難である。
そこで、ここでは一般的な専門家や機関の見解を参考にしてみよう。
原油価格
原油価格に関しては、国際エネルギー機関(IEA)や米国エネルギー情報局(EIA)などが定期的に予測を発表している。
これらの機関の見解によると、原油価格は2023年末までには1バレルあたり約70ドル前後に下落すると予想されている 。
その理由としては、以下のようなものが挙げられている。
- 新型コロナウイルス感染症の変異株やワクチン接種の遅れなどによる需要減退
- OPECなどの産油国が供給量を増やすことで市場が供給過剰になる
- 米国やイランなどの非OPEC産油国が生産量を回復する
- 再生可能エネルギーなどの代替エネルギーの普及による需要減少
ただし、これらの予測はあくまで参考値であり、実際には予想外の事象が発生する可能性もある。
例えば、中東情勢や地政学的リスクが悪化したり、天候や災害などの自然現象が発生したりすると、原油価格は急騰する可能性もある。
為替レート
為替レートに関しては、日本銀行や金融機関などが定期的に予測を発表している。
これらの機関の見解によると、ドル円為替レートは2023年末までには1ドルあたり約110円前後に上昇すると予想されている 。
その理由としては、以下のようなものが挙げられる。
- 日米欧の金融政策や金利差が縮小することで円高圧力が緩和される
- 日本の貿易収支や経常収支が改善することで円高要因となる
- 新型コロナウイルス感染症の収束やワクチン接種の進展によるリスクオンのムードが高まる
- 米中関係や北朝鮮問題などの地政学的リスクが緩和される
ただし、これらの予測もあくまで参考値であり、実際には予想外の事象が発生する可能性もある。
例えば金融市場や経済指標に大きな変動があったり、政治的・社会的な事象が発生したりすると、為替レートは急変する可能性があるので注意をしたい。
ガソリン価格の値動きをチェックする方法とは?
ガソリン価格の最新情報や推移を知りたい場合、ガソリン価格の値動きはどのような方法でチェックできるのか?
ガソリン価格の値動きをチェックする方法としては、以下のようなものがある。
- 石油情報センター(石油情報センター)
石油元売りや石油協会が運営するサイト。 全国のガソリン価格の平均値や地域別の値動きを毎週発表している。 また、原油価格や為替レートなどの関連情報も提供している。 - Oil Price(オイルプライス)
海外の石油情報サイト。 日本語版もある。 世界各国のガソリン価格や原油価格の最新情報や推移をリアルタイムで表示している。 また、ニュースや分析などの関連情報も提供している。 - Gas Buddy(ガスバディ)
前述したガソリン価格比較アプリ。ガソリン価格の値動きをチェックする機能もある。 アプリ内で、全国や地域別のガソリン価格の最新情報や推移をグラフで見ることができる。 また、ユーザーからの投稿や更新情報もある。
これらの方法を使えば、ガソリン価格の値動きを簡単にチェックすることができる。
まとめ
この記事では、ガソリン価格について解説した。
ガソリン価格は高騰することも多い。
でもガソリン価格の高騰は何が原因で生じるのかを知っておけば、ニュース情報などからガソリンが安くなるタイミングを計れるかもしれない。
だからガソリン代を安くしたい場合には、ガソリン価格の情報を集めるようにした方がいいかもしれないね。