話題-百鬼夜行

鬼鎮神社の由来と御利益:節分祭は「福は内、鬼は内、悪魔は外」

鬼鎮神社は、埼玉県嵐山町にある全国でも珍しい鬼を祀る神社です。

1182年、畠山重忠が菅谷館の鬼門除けとして創建したと伝えられています。

鬼鎮神社の祭神

鬼鎮神社は、二つの神様、すなわち衡立船戸神と八衢を祀っています。これらの神様は、それぞれ特別な役割と象徴を持っています。

衡立船戸神は、刀剣の神様として広く認識されています。この神様は、刀剣やその他の武器の製造に関わる者たちにとって、特別な意味を持つ存在です。彼らは衡立船戸神に祈り、自分たちの作品が優れた品質と力を持つように願います。また、この神様は戦士たちにとっても重要で、彼らは戦いの前に衡立船戸神に祈り、勝利と保護を求めます。

一方、八衢は道祖神として知られています。道祖神は、旅人や商人、さらには日常生活で移動するすべての人々を守る神様です。八衢は、旅の安全と成功を祈る人々にとって、特別な存在となっています。また、この神様は新たな道を開く者や、未知の領域に進む者にとっても重要な神様です。

鬼鎮神社のご利益

鬼鎮神社の境内

鬼鎮神社の敷地内は、鬼の伝説と深く結びついています。その証拠に、境内には鬼の彫像や金色の棒といった、鬼を象徴するアイテムが数多く展示されています。これらのアイテムは、鬼の力強さと勇気を表現しており、訪れる人々に鬼の存在を思い起こさせます。

また、鬼鎮神社では毎年2月3日に節分祭が開催されます。この祭りでは、「福は内、鬼は内、悪魔は外」という独特の掛け声と共に、豆まきが行われます。この掛け声は、福を家に招き入れ、鬼や悪魔を追い払うという意味を持っています。節分祭は、新たな年の幸運と安全を祈る重要な行事であり、多くの人々が参加します。

鬼鎮神社の特徴

鬼鎮神社は、その独自の解釈と神聖な信仰により、鬼を一般的な恐怖の象徴ではなく、厄を払い除ける神聖な存在として祀っています。これは、鬼鎮神社が他の神社とは一線を画す独特な特徴であり、その信仰の深さと広がりを示しています。

また、鬼鎮神社は、多くの信者にとって、さまざまな願い事を叶える場所となっています。特に、勝負運の向上、家庭の安全、商売の繁栄といったご利益があるとされています。これらのご利益は、信者たちが日々の生活で直面する課題や困難を乗り越える力を与え、また新たなチャンスや可能性を開くきっかけを提供します。

鬼鎮神社へのアクセス

鬼鎮神社周辺のおすすめ観光スポット

鬼鎮神社の由来:刀鍛冶と鬼の物語

かつて川島には名高い刀鍛冶が住んでいました。

ある日、彼のもとに一人の若者が訪れ、自分も刀を作りたいと願い出ました。

刀鍛冶はその情熱に感銘を受け、彼の願いを許します。

 

この若者は、一心不乱に刀を打ち続け、刀鍛冶からの評価を得ます。

そして、ある日、彼は刀鍛冶に対して、自分の娘を妻にしたいと申し出ました。

 

刀鍛冶は彼に対して、一晩で100本の刀を打つことができたら娘を嫁にやると約束します。

若者はその約束を受け、その晩から刀を打ち始めました。

 

しかし、深夜まで刀を打ち続ける若者の様子が心配になった刀鍛冶は、彼の元を訪れます。

そこで目にしたのは、鋭い目と角を持つ若者でした。

 

彼はなんとだったのです。

刀鍛冶は鬼に娘を嫁にすることはできないと考え、朝の訪れを早めるために鶏を早く鳴かせようとします。

 

刀鍛冶は鶏を鳴かせることに成功し、朝が来たと鬼に伝えに行きました。

しかし、鬼はまだ刀を打ち続けています。

 

やがて、空が明るくなり、夜明けが訪れました。

鬼は99本の刀を打ち終え、槌を握ったまま息を引き取りました。

 

刀鍛冶は亡くなった鬼を哀れに思い、神主に頼んで庭の隅に埋葬しました。

これが鬼鎮様というお宮の始まりで、現在の鬼鎮神社に繋がっています。

 

参照:嵐山町史

 

他にもある鬼を祀る神社

鬼を祀る神社は多くはありませんが、それでも日本全国を探すと色々と見つかります。

 

鬼を祀る神社の例

 

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