東大寺秋祭り、正式名称は「大仏さま秋の祭り」である。
奈良を代表する歴史あるこのお祭りは毎年10月中旬に開催され、東大寺建立の詔が出された天平15年(743年)10月15日を記念して行われている。
歴史
東大寺は聖武天皇の命により建立された日本仏教の中心地である。
大仏殿に鎮座する盧舎那仏は、世界最大級の木造仏像として知られ、その圧倒的な存在感で訪れる人々を魅了する。
東大寺秋祭りは、この大仏建立の詔を記念して、7世紀から続く伝統あるお祭りである。
古くは「修二会(お水取り・お松明)」の一環として行われていたが、現在は独立した行事として親しまれている。
東大寺秋祭りの見どころ
東大寺秋祭りの最大の見どころは、盧舎那仏への献茶式と、鏡池舞楽台での慶讃能である。
この2つの行事を通して、東大寺の歴史と伝統を肌で感じることができる。
盧舎那仏への献茶式:神聖な儀式で感じる大仏への敬意
10月15日、東大寺大仏殿前に特設された献茶台に、表千家の茶席が設けられる。
厳かな装束をまとった茶人が、静寂の中、丁寧に茶を点て、盧舎那仏に捧げる。
献茶式は、東大寺建立の詔が出された天平15年(743年)に始まったと伝えられている。
以来、1300年以上もの間、毎年欠かさず行われてきた歴史ある儀式である。
鏡池舞楽台での慶讃能:華やかで迫力満点の舞台
秋祭りの夜、東大寺境内にある鏡池舞楽台では、華やかで迫力満点の慶讃能が上演される。
ライトアップされた鏡池を背景に、能楽師による精緻な舞いと、雅やかな音楽が織り成す美しい空間は、まさに幻想的。
慶讃能では、季節に合った演目が上演され、秋の風情を感じられる演目を鑑賞しながら、日本の伝統芸能を存分に楽しむことができる。
その他の見どころ
東大寺秋祭りの期間中は、様々なイベントが行われる。
多彩な模擬店
東大寺境内には、様々な模擬店が並ぶ。
奈良名物の柿の葉寿司や茶そばをはじめ、地元グルメや伝統工芸品など、様々な商品を購入することができる。
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奈良名物グルメ
- 柿の葉寿司: 鯖寿司を柿の葉で包んだ、奈良を代表する郷土料理。爽やかな柿の葉の香りが鯖の旨味を引き立てる。
- 茶そば: 抹茶を練り込んだ緑色のそば。ツルツルとした喉越しと、ほのかな抹茶の風味が特徴。
- 三輪そうめん: 奈良県桜井市三輪地方で生産される伝統的なそうめん。コシが強く、喉越しが良い。
- 奈良漬: 奈良名物の漬物。白瓜や茄子などを酒粕や米麹で漬け込んだもので、独特の風味と食感が特徴。
- 柿の葉せんべい: 柿の葉の形をした香ばしいせんべい。お土産にもおすすめ。
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伝統工芸品
- 奈良筆: 奈良時代に起源を持つ伝統的な筆。書道や絵画に使用されるほか、インテリアとしても人気。
- 奈良墨: 奈良で作られる高品質な墨。書道や絵画に使用されるほか、硯石と一緒に磨って使うこともできる。
- 正倉院御物模造品: 正倉院に収蔵されている国宝を模造した精巧な工芸品。金銅仏像や漆器などが人気。
- 鹿の角細工: 鹿の角を削って作った伝統的な工芸品。アクセサリーや置物などが人気。
- 奈良人形: 奈良をモチーフにした可愛らしい人形。お土産にもおすすめ。
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その他
- 奈良の地酒: 奈良県には様々な地酒がある。試飲できるお店もあるので、お気に入りの地酒を見つけてほしい。
- 奈良の食材を使った加工品: 奈良の食材を使った様々な加工品が販売されている。ジャムやドレッシングなどが人気。
- 奈良の伝統工芸品を使った雑貨: 奈良の伝統工芸品を使った様々な雑貨が販売されている。アクセサリーやインテリアなどが人気。
ライトアップされた東大寺
秋祭りの期間中、東大寺はライトアップされる。ライトアップされた大仏殿は昼間とはまた違った幻想的な姿を見せ、夜の闇に浮かび上がる大仏殿は圧倒的な存在感を放つ。
ライトアップされた大仏は金色に輝き、まるで生きているような印象を与える。
大仏殿だけでなく、二月堂や南大門など、境内全体もライトアップされ、昼間とは違った神秘的な雰囲気に包まれる。
秋祭りの夜を彩る幻想的なライトアップ
東大寺秋祭りの期間中、東大寺境内はライトアップされる。
ライトアップされた大仏殿は昼間とはまた違った幻想的な姿を見せる。
- ライトアップ時間
- 期間: 東大寺秋祭り期間中
- 時間: 18:30~21:30
ライトアップを楽しむためのポイント
- ライトアップが始まる前に、東大寺境内に到着しておくこと。
- 大仏殿だけでなく、境内全体を散策して、ライトアップされた景色を楽しむこと。
- 写真撮影をする場合は、三脚やフラッシュを使用しないこと。
東大寺秋祭りとともに楽しめる!奈良公園のイベント
東大寺秋祭りの期間中、奈良公園周辺では、秋祭りに合わせて様々なイベントが開催される。
鹿と触れ合ったり、広い芝生で遊んだり、歴史を感じられる施設を訪れたり、奈良公園を存分に楽しむことができる。
1. 鹿と触れ合えるイベント
- 鹿せんべいタイム
東大寺二月堂周辺や興福寺周辺など、奈良公園の様々な場所で鹿に鹿せんべいをあげるイベントだ。鹿と直接触れ合うことができ、子供も大人も楽しめる。 - 鹿の角切り
奈良公園周辺の春日大社と興福寺で行われる伝統行事で、鹿の角を切ることで、鹿の健康を守るとされている。
2. 芝生で遊べるイベント
- 奈良公園周辺の芝生
奈良公園周辺には、広い芝生が広がる場所がたくさんある。ピクニックやボール遊びなど、思い思いに楽しむことができる。 - 奈良公園周辺の公園
奈良公園以外にも、円成寺公園や奈良県立博物館附属奈良公園自然史資料館など、公園や自然を楽しめる施設がある。
3. 歴史を感じられる施設
- 奈良国立博物館
奈良時代から江戸時代までの美術品や歴史資料を展示する博物館だ。東大寺秋祭りの期間中は、特別展が開催されることもある。 - 興福寺
奈良時代の五重塔で有名な寺院だ。東大寺秋祭りの期間中は、ライトアップが行われる。 - 東大寺二月堂
東大寺境内にある重要文化財である二月堂だ。秋祭りの期間中、二月堂周辺で様々なイベントが開催される。
4. その他のイベント
- 奈良公園周辺のカフェやレストラン
奈良公園周辺には、カフェやレストランがたくさんある。秋祭りの期間中は、秋限定のメニューを提供しているお店もある。 - 奈良公園周辺のお土産屋さん
奈良公園周辺には、奈良名物の鹿せんべいや柿の葉寿司などのお土産を販売しているお店がたくさんある。
撮影スポット
東大寺秋祭りでは、大仏殿や二月堂など、フォトジェニックなスポットがたくさんある。
ここでは、特におすすめの撮影スポットをいくつか紹介する。
大仏殿
東大寺秋祭りのシンボルである大仏殿は、圧倒的な存在感で写真映えするスポットだ。
特に、夕暮れ時の大仏殿は、金色に輝く姿が美しく、幻想的な雰囲気を醸し出す。
二月堂
二月堂は、東大寺境内にある重要文化財だ。
奈良市街を一望できる絶景スポットとして知られており、秋祭りの時期にはライトアップも行われ、さらに幻想的な雰囲気になる。
南大門
南大門は、東大寺の大門だ。
朱色に塗られた門は、東大寺秋祭りの活気ある雰囲気にぴったりだ。
門の前で記念撮影をするのもおすすめだ。
その他
東大寺境内には、他にもたくさんの撮影スポットがある。
ぜひ、自分のお気に入りの場所を見つけて、秋祭りの思い出を写真に残してほしい。
子連れ向け情報
東大寺秋祭りは、子連れでも楽しめるお祭りだ。
ベビーカーでのアクセスも可能で、授乳室も設置されている。
子連れ向けおすすめスポット
- 二月堂周辺
二月堂周辺は、比較的空いていて、ベビーカーでの移動も楽だ。また、二月堂からの景色は絶景なので、子供と一緒に楽しめる。 - 東大寺ミュージアム
東大寺ミュージアムでは、大仏殿の歴史や文化について学ぶことができる。子供向けの展示もあり、親子で楽しめるスポットだ。 - 奈良公園
奈良公園は、東大寺から徒歩圏内にあり、鹿と触れ合ったり、広い芝生で遊んだりすることができる。
東大寺秋祭りの子供向けイベント
東大寺秋祭りには、子供向けのイベントも開催されている。
事前に情報を確認しておくと、より楽しめるだろう。
以下は、過去に行われた子供向けイベントの例だ。
体験型イベント
- 子供向け茶道体験
お茶の先生から抹茶の点て方を教わったり、茶菓子をいただいたりすることができる。 - 子供向け写仏体験
写仏とは、仏像の模写をすることだ。子供向けには、簡単な仏像を選んで写仏することができる。 - 子供向け奈良時代衣装体験
奈良時代の衣装を着て、東大寺境内を散策することができる。 - 子供向け鹿せんべい作り体験
鹿せんべいの材料を混ぜて、鹿せんべいを作ることができる。
散策型イベント
- 子供向け奈良公園ガイドツアー
奈良公園のガイドさんと一緒に、奈良公園を散策することができる。鹿にせんべいをあげたり、鹿と触れ合ったりすることができる。
その他
- 子供向け映画上映会
奈良を題材にした映画を上映する。 - 子供向け音楽演奏会
奈良の伝統音楽を演奏する。 - 子供向け工作教室
奈良をモチーフにした工作を作ることができる。
飲食店・トイレ情報
東大寺秋祭り期間中には、境内や周辺にたくさんの飲食店がオープンする。
おすすめ飲食店
- 奈良町茶寮
奈良町茶寮では、奈良名物の柿の葉寿司や茶そばなどを味わうことができる。 - 東大寺茶屋
東大寺茶屋では、うどんやそばなどの軽食を味わうことができる。 - 奈良公園周辺
奈良公園周辺には、様々なジャンルのレストランやカフェがある。
トイレ
東大寺境内には、いくつかのトイレがある。
ただし、秋祭り期間中は多くの参拝者が訪れるため、混雑することが予想される。
快適にトイレを利用するために、以下のコツを参考にしてほしい。
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事前にトイレの場所を確認しておく
東大寺秋祭りの公式サイトやパンフレットには、トイレの場所が記載されている。事前に確認しておくと、混雑を避けやすいトイレを見つけることができる。 -
混雑する時間帯を避ける
秋祭りのピーク時(午前中や夕方)は、トイレも特に混雑する。可能であれば、混雑する時間帯を避けてトイレを利用しよう。 -
複数のトイレを検討する
東大寺境内には、複数のトイレがある。混雑しているトイレがあれば、別のトイレを探してみよう。 -
時間に余裕を持って行動する
秋祭りは混雑するため、時間に余裕を持って行動することが重要だ。特に、トイレを利用する場合は、時間に余裕を持って行動しよう。 -
ベビーカーや車いすの方向けのトイレ
東大寺境内には、ベビーカーや車いすの方向けのトイレもある。場所については、事前に確認しておこう。
混雑情報
過去の東大寺秋祭りでは、約10万人の人が訪れた。特に、大仏殿周辺や鏡池周辺は混雑が予想される。
混雑というストレス要因は、以下のように対処をしよう。
事前に計画を立てる
東大寺秋祭りを効率的に回るためには、事前に計画を立てておくことが大切だ。
以下は、計画を立てる際に役立つポイントだ。
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行きたいスポットをリストアップする
東大寺境内には、大仏殿、二月堂、興福寺など、多くの見どころがある。事前に見たいスポットをリストアップしておくと、効率的に回ることができる。 -
混雑状況を把握する
東大寺秋祭りの公式サイトやニュースなどで、混雑状況を把握しておくと、混雑を避けやすいスポットを選ぶことができる。 -
移動時間を考慮する
東大寺境内は広いので、移動時間も考慮して計画を立てよう。
混雑を避ける
東大寺秋祭りでは、大仏殿周辺や鏡池周辺が特に混雑することが予想される。
混雑を避けるためには、以下の方法が有効だ。
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早朝や夕方に行く
大仏殿は午前9時から午後5時30分まで、二月堂は午前8時半から午後5時まで開館している。早朝や夕方であれば、比較的空いていて、ゆっくりと見学することができる。 -
混雑を避けられるスポットに行く
大仏殿や二月堂以外にも、東大寺境内には多くの見どころがある。混雑を避けられるスポットに行くことで、ゆっくりと秋祭りを楽しむことができる。 -
行列に並ぶ前にトイレに行く
行列に並んでいる間にトイレに行きたくなると、時間を無駄にすることになる。行列に並ぶ前に、トイレに行っておこう。
効率的な回り方
東大寺秋祭りを効率的に回るためには、以下の方法が有効だ。
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徒歩で回る
東大寺境内は広いが、徒歩で回ることができる。徒歩で回ると、運動にもなる。 -
レンタサイクルを利用する
東大寺境内では、レンタサイクルを利用することができる。レンタサイクルを利用すれば、広い境内を効率的に回ることができる。 -
ガイドツアーに参加する
東大寺秋祭りの期間中には、ガイドツアーが開催されている。ガイドツアーに参加すれば、東大寺の歴史や文化について詳しく知ることができる。
おわりに
東大寺秋祭りは、歴史と伝統を感じられる、奈良を代表するお祭りだ。
大仏殿への献茶式や慶讃能、境内を彩る模擬店など、見どころ満載だ。
そんな東大寺秋祭りの写真撮影や子連れでの参加、飲食店やトイレの情報など、東大寺秋祭りを存分に楽しむための情報を紹介した。
東大寺秋祭りに行こうと考えている方は、混雑を回避する方法を考慮しながら、観光ルートをかんがえていただきたい☆-( ^-゚)v