野菜は繊細な食材。
だからチョットした油断で痛めてしまい、いかにも体に悪そうな食感になることも。
今回はそんな後悔を避けるため、野菜の鮮度を長持ちさせる保存方法についてお伝えする。
野菜の保存方法で覚えておきたい基本!
野菜の保存方法は、野菜の個性に合わせるのが基本。
個性に合わない環境でも、短い期間であれば大きな影響は出ない。
でもある程度の期間、個性に合わない環境に置いておくと早くに傷んで食べられなくなる。
食材に合わせた保存方法を選ぶことが大切
野菜は種類によって、保存方法が大きく変わる食材。
その理由は野菜というのは、特徴が種類によって大きく違ってくるから。
では野菜を保存する場合どこに注目すればよいのかというと──野菜が育った環境がどのような場所かという点。
育った環境に合わせることで、多くの野菜は長持ちをするようになる。
特に温度と湿度は、野菜を長持ちさせるのに重要な要素となる。
- きゅうり
○温度:11~13℃
○湿度:90~95% - ジャガイモ
○温度:10~13℃
○湿度:% - さつまいも
○温度:13℃
○湿度:85~90% - しょうが
○温度:14℃
○湿度:65% - オクラ
○温度:7~10℃
○湿度:90~95% - トマト
○温度:7~10℃
○湿度:85~90% - ピーマン
○温度:7~10℃
○湿度:90~95% - かぶ
○温度:0~5℃
○湿度:90~95% - キャベツ
○温度:0~5℃
○湿度:90~95% - レタス
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - ブロッコリー
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - ニンジン
○温度:0~5℃
○湿度:90~95% - 白菜
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - ほうれん草
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - 大根
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - ニラ
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - ニンニク
○温度:0~5℃
○湿度:65~70% - パセリ
○温度:0~5℃
○湿度:95~98% - セロリ
○温度:0~5℃
○湿度:95~98%
野菜や果物で気を付けたい低温障害とエチレンガス
野菜や果物の保存でよくある失敗が、先に述べた低温障害。
冷蔵庫に入れて安心していたら、取り出したら野菜がシワシワになっていたとかは良くある話。
この低温障害については、野菜が冷蔵保存可能かどうかを判断基準にして防ぐことが多い。
それとエチレンガスにも気を付けたい。
なぜならこのエチレンガスは、野菜や果物が熟すのを促すので傷む原因になりかねないから。
しかも野菜の呼吸によって出るので、無くすということも出来ない。
低温障害
冷蔵庫に入れておけば安心──と、油断をしていると低温障害を起こしてしまうことがある。
この低温障害というのは、冷蔵庫に入れてその食材を構成する物質が変化してしまう事。
例えばキュウリなら水っぽくなるし、トマトなら以上に柔らかく、バナナなら黒くなるなどしてしまう。
このように低温障害となりやすい野菜や果物は、基本的に冷暗所での常温保存を選ぶことになる。
で、もしも冷暗所を用意できない場合は野菜室を選ぶという感じで洗濯を心がけるといい。
エチレンガス
エチレンガスは、野菜や果物が収穫後も行っている呼吸によって発生する。
このエチレンガスは、野菜や果物が熟すのを促す効果が。
だからエチレンガスの詰まったビニール袋なんかに入れておくと、野菜や果物が過度に熟してしまうことになる。
結果として、傷みが早まることになる。
エチレンガスは上手に使えば味方
エチレンガスは、野菜や果物が熟すのを促す。
この効果を利用する方法がある。
それはエチレンガスを多く輩出する野菜や果物と一緒に、ビニール袋の中に未熟な果物を一緒に入れておくこと。
例えば、リンゴやアボガドはエチレンガスをよく出すことで知られている。
だからリンゴと未熟なフルーツをビニール袋に入れて口をしっかりと閉じておけば、早めに未熟な果物を食べごろにすることができる。
この方法は、よくキウイフルーツが固いときなんかに使われる。
ジャガイモと一緒に入れると
エチレンガスを多く吐き出す野菜や果物を、ジャガイモと一緒に入れるのも良い。
ジャガイモで困るのが、しばらく置いておくと芽を出すこと。
エチレンガスは、このジャガイモが目を出すのを邪魔してくれる。
葉野菜の保存について
葉野菜は常に水分を放出させている。
だから保存するときは、水分の影響を減らしたい。
そのためには、まずは全体を乾いたペーパータオルで包むなどして、次に上からポリ袋をかぶせるという形にするのが良い。
この状態にすれば水分を吸うだけでなく、ほどよく湿るので野菜を良い感じに保存できる。
もしも濡れたペーパータオルを使うと?
もしも濡れたペーパータオルを使って包んでしまった場合、水分過多になって野菜が傷んでしまう。
具体的には、葉がヌルっと気持ち悪い状態になるうえにしなびてしまう。
新聞紙とペーパータオルは使い分けるべきか?
野菜を包むとき、新聞とペーパータオルのどちらかを使うという場合が多い。
この新聞紙とペーパータオルは、どちらも野菜が長持ちする温度や湿度に調整するという目的で包むのに使われる。
では、これらを使い分けるべきかというと──その必要はない。
基本的にどちらを使おうとも問題は無い。
しいて使い分けのポイントを挙げるのなら、それは包む野菜のサイズに合わせること。
大きい物や長い物には新聞紙。
でも比較的小さなものにはペーパータオルという形で使い分けると便利。
ラップとポリ袋の使い分け
野菜を切った場合は、必ず空気に切り口が触れないようにしたい。
これは切り口から水分が蒸発するのを防ぐだけでなく、切り口から酸化をしていくのを防ぐためでもある。
だから空気に触れるのを防ぐ場合には、ラップでピッチリと密閉することが大切になる。
ポリ袋を使う場面
ラップと似た印象のあるポリ袋。
このポリ袋はラップとは違って、ピッチリと遮断するという事は出来ない。
基本的には野菜をポリ袋に入れる場合というのは、冷気や乾燥から守るような場面──例えば冷蔵庫に入れる場合という事が多い。
野菜の冷凍について
野菜には、そのまま冷凍できる物と事前の加工が必要な物とがある。
でもそのまま冷凍できるものは少ない。
これは野菜には水分が多いことが深く関係している。
野菜をそのまま冷凍すると、細胞内の水分が凍る際に膨張する。
そして膨張した水分(氷)が細胞を壊してしまう。
この結果、冷凍した野菜の多くが解凍後に触感がスカスカであったり、水っぽさを感じるといった触感になる。
野菜は冷凍前にブランチングを
野菜を冷凍保存したい場合、基本はブランチングをすることになる。
ブランチングというのは、蒸すなどの加熱処理を加えること。
加熱処理をすることで野菜は冷凍保存を行いやすくなるものが多い。
ブランチングの具体的な効果
ブランチングを行うことで、酵素の働きを抑える、殺菌される、変色を抑えられる。
こういったメリットを得られる。
それと解凍後にも違いが出る。
ブランチングをすることで、解凍したときにありがちな水っぽさが出るのを防げる。
ブランチングの行い方
ブランチングは基本的には──
- 90℃~100℃の熱湯に野菜をサッと通す
- 冷水で一気に冷やす
- しっかりと水気を取る
- 冷凍用保存袋に入れる
- 冷凍庫に入れる
──このような流れで行われる。
ブランチングに向かない野菜もある
多くの野菜は、ブランチングを行うことで冷凍保存を行えるようになる。
でも全ての野菜がブランチングをすれば冷凍保存できるというわけではない。
だからブランチングするべき野菜と、それ以外との野菜をしっかりと知っておく必要がある。
ちなみにブランチングで冷凍できるようになる野菜は、以下のような物が挙げられる。
- ブロッコリー
- カリフラワー
- ニンジン
- 大根
- ニラ
- トウモロコシ
ブランチング以外の方法で冷凍保存ができる野菜
ブランチング以外の方法を行うことで、冷凍保存が可能になる野菜もある。
例えばキュウリ、白菜、キャベツは塩もみをした後で冷凍保存をするといい。
ジャガイモ、カボチャ、サツマイモなどはマッシュにした後で冷凍にするといい。
長芋や大根はすりおろしてから冷凍。
ネギのような薬味は刻んでから冷凍。
キャベツ、ニンジン、ピーマンなどは千切りしてから冷凍。
そしてトマトに関しては、そのまま冷凍してもいい。
このように冷凍をするときには、野菜ごとに行うべき準備が違う点には注意をしたい。
おわりに
今回は野菜を保存するときの注意点についてお伝えした。
野菜は色々なタイプがあるから、全ての保存方法を知るのは大変かもしれない。
だからよく使う野菜のみ保存方法を知っておいて、滅多に使わない野菜についてはその都度調べるという感じが良いのではと思う。