お焚き上げ花火は、江戸時代から続く日本の花火文化の一つ。
竹筒に火薬を詰めて点火するというシンプルな仕組みの花火。
お焚き上げ花火は、地域によって様々な形や色があり見る人を楽しませてくれる。
この記事では、お焚き上げ花火の意味や由来、作り方や安全な楽しみ方、地域色豊かなお焚き上げ花火の種類と見どころなどについてご紹介させて頂く。
お焚き上げ花火とは?
お焚き上げ花火のお焚き上げという言葉。
お焚き上げとは、粗末に扱うことができない品物や故人が生前に大切にしていた遺品などを、神社や寺院で供養してもらった後に焼却して処分する宗教儀式である。
この際に焼却される品は、神聖な炎によって浄火され天に還っていくと考えられている。
お焚き上げ花火は、この儀式の中で使われる花火のことを指す。
お焚き上げ花火は、竹筒に黒色火薬を詰めて点火するというシンプルな仕組みだが、その爆発音や炎の色は見る人を圧倒する。
また、地域によっては竹筒の形や大きさ、色や模様などを工夫して独自のお焚き上げ花火を作っている。
例えば、静岡県焼津市では「焼津の大玉」と呼ばれる直径約1メートルの巨大な竹筒を使っている。
お焚き上げ花火の意味や由来
お焚き上げ花火の意味や由来は、平安時代に遡る。
当時、宮中では以下のような火祭りが行われていた。
- 庭燎(にわび)
○神事の際に場の浄化や神を招く意味を込めて焚かれた特別なかがり火 - 左義長(さぎちょう)
○国家安泰を願って行われた火祭り - 柴燈護摩供(だいさいとうごまく)
○天下泰平、五穀豊穣、家内安全などを願う仏教行事
これらの宮中の神事や宗教行事が、正月に歳神様を迎えた札などを焚くどんど焼きや、魂が宿ったものを供養するお 焚き 上げに繋がっていると考えられている。
お焚き上げの解釈
お焚き上げの解釈は、神道と仏教で異なる。
神道では、「火の神の力を借りて天界へ還す儀式」と考えられている。
仏教では、「物に宿った魂を天に送って供養する儀式」「思い出の品を焚き上げて故人に返す儀式」と考えられている。
教義に若干の違いはあるが、「魂が宿っているものを宗教儀式にのっとり供養して炎と共に処分する」という点においては、どちらの宗教も同じ考えであると言える。
お焚き上げ花火の作り方と安全な楽しみ方
お焚き上げ花火は、竹筒に黒色火薬を詰めて点火するだけだけど、その作り方や楽しみ方には注意が必要である。
以下に、お焚き上げ花火の作り方と安全な楽しみ方を紹介する。
お焚き上げ花火の作り方
お焚き上げ花火の作り方は、以下のような手順で行う。
- 竹筒を用意する
○竹筒は直径5~10センチメートル
○長さ30~50センチメートル程度が適当
○竹筒は乾燥させておくことが重要 - 黒色火薬を用意する
○黒色火薬は硝石、硫黄、木炭を混ぜたもので、市販されている。
○黒色火薬は湿気や衝撃に弱いので、取り扱いに注意すること - 竹筒に黒色火薬を詰める
○竹筒の一方の節を塞いだ後、黒色火薬を詰める
○詰める量は竹筒の容積の約半分程度が目安
○詰めすぎると爆発力が強くなり危険 - 竹筒に導火線を通す
○竹筒のもう一方の節に穴を開けて導火線を通す
○導火線は市販されているものや、紐や紙などに硝石や硫黄を塗ったものが使える - 竹筒に装飾を施す
○竹筒に色紙や絵具などで模様や文字を描いたり、リボンや飾り紙などで飾ったりする
○装飾は自由だが、燃えやすいものや金属製品などは避ける - 竹筒を立てる
○竹筒は地面に直接置くか、土や砂で固定した土管や缶などに立てる
○周囲に可燃物がないことや風向きに注意する - 導火線に火をつける
○導火線にマッチやライターなどで火をつける
○火がついたらすぐに離れる - 導火線が燃え尽きると竹筒が爆発する
○爆発音や炎を楽しむ - 竹筒の残骸は火が消えた後に回収する
○環境や安全のためにも、きちんと処理する
地域色豊かなお焚き上げ花火の種類と見どころ
お焚き上げ花火は、地域によって様々な特徴や見どころがある。
以下に、代表的なお焚き上げ花火の種類と見どころを紹介させていただく。
静岡県焼津市:焼津の大玉
静岡県焼津市では、「焼津の大玉」と呼ばれる直径約1メートルの巨大な竹筒を使ったお焚き上げ花火が行われるイベント。
この花火は江戸時代から伝わる伝統芸能で、毎年8月の第一土曜日に開催される。
焼津の大玉は、約100キログラムの黒色火薬を詰めて点火すると、約300メートルの高さに飛び上がり、大きな音と光で夜空を照らす。
焼津の大玉は、日本三大奇祭の一つに数えられるほどの迫力と美しさがある。
岐阜県高山市:高山祭
岐阜県高山市では、「高山祭」と呼ばれるお焚き上げ花火が行われるイベント。
この花火は、春の祭りと秋の祭りの二回に分かれて行われる。
春の祭りは4月14日と15日、秋の祭りは10月9日と10日に開催される。
高山祭では、12基の山車が町中を練り歩くが、その中に「花火山車」と呼ばれるものがある。
花火山車は、竹筒に詰めた黒色火薬を点火して打ち上げる仕掛けが施されており、夜になると町中に爆音と炎を響かせる。
花火山車は、高山祭の見せ場の一つであり、勇壮な姿が見物である。
長野県松本市:松本まつり
長野県松本市では、「松本まつり」と呼ばれるお焚き上げ花火が行われるイベント。
この花火は、毎年8月24日から26日に開催される松本市最大のお祭りである。
松本まつりでは、約20基の山車や屋台が町中を練り歩くが、その中に「花火屋台」と呼ばれるものがある。
花火屋台は、竹筒に詰めた黒色火薬を点火して打ち上げる仕掛けが施されており、夜になると町中に爆音と炎を響かせる。
花火屋台は、松本まつりの見せ場の一つであり、華やかな姿が見物である。
お焚き上げ花火を行っている神社や寺院の情報の調べ方
お焚き上げ花火を行っている神社や寺院の情報は、以下のような方法で調べることができる。
- インターネットで検索する
○検索キーワード例
→「お焚き上げ花火」や「お焚き上げ花火 神社 寺院」など
○お焚き上げ花火を行っている神社や寺院の情報が見つかる可能性が高い - 地元の観光案内所や神社や寺院に問い合わせる
○お焚き上げ花火を行っている神社や寺院が近くにある場合は直接問い合わせることが可能
○地元の観光案内所や市役所などにもお焚き上げ花火の情報がある場合がある
○問い合わせる場合は、住所や電話番号、開催日時や料金などの詳細な情報を聞くことも可能 - 旅行雑誌やガイドブックを参考にする
○お焚き上げ花火を行っている神社や寺院が遠方にある場合
→旅行雑誌やガイドブックを参考にすることができる
○旅行雑誌やガイドブックでは
→お焚き上げ花火の見どころや魅力、アクセス方法などの情報が紹介されている場合も
まとめ
この記事では、お焚き上げ花火という伝統的な花火の種類について詳しくお伝えした。
お焚き上げ花火は、江戸時代から続く日本の花火文化の一つで、竹筒に火薬を詰めて点火するというシンプルな仕組みである。
お焚き上げ花火は、地域によって様々な形や色があり、見る人を楽しませる。
この記事では、以下の内容を紹介させて頂いた。
- お焚き上げ花火とは?
- お焚き上げ花火の意味や由来
- お焚き上げ花火の作り方と安全な楽しみ方
- 地域色豊かなお焚き上げ花火の種類と見どころ
- お焚き上げ花火を行っている神社や寺院の情報の調べ方
お焚き上げ花火は、日本の伝統文化を感じられる素晴らしい伝統の一つ。
機会があれば、実際に体験してみるのも良いかもしれないね☆-( ^-゚)v