救急箱というのは、会社だと設置の義務がある。
そして救急箱の中身にも、なにを入れないといけないのか決まりもある。
今回は、会社の救急箱の中身に関する情報をリサーチしてみた。
イザという時に役立つ救急箱の話さ☆-( ^-゚)v
会社の救急箱と法律
会社に救急箱の設置義務を負わせているのは労働安全衛生法。
労働安全衛生法というのは、労働者が安全健康に仕事を行えるようにするための規定。
この労働安全衛生法には、事業所内の備品や設備についての規定も書かれている。
この規定があるから、会社は救急箱の設置が必要となる。
救急箱に関しては、労働安全衛生規則第9章に規定が書かれているよ。
労働安全衛生規則 第九章 救急用具(第六百三十三条-第六百三十四条)
(救急用具)
第六百三十三条 事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方
法を労働者に周知させなければならない。
2 事業者は、前項の救急用具並びに材料を常時清潔に保たなければならない。
(救急用具の内容)
第六百三十四条 事業者は、前条第一項の救急用具及び材料として、少なくとも、次の品目を備えなけれ
ばならない。
一 ほう帯材料、ピンセツト及び消毒薬
二 高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬
三 重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等
会社に置く救急箱の規定を分かりやすく
上記が救急箱に関する規定。
でも法律の文章らしく、無駄に分かりにくく書かれている。
噛み砕いて解説すると──
まず会社に設置する救急箱に関して、3つの義務が規定されている事が分かる。
- 会社に救急箱を置く義務
- 救急箱の置いてある場所を労働者に伝える義務
- 救急箱の使い方を労働者に教える義務
救急箱が置いてあっても、必要な時に使えないのでは意味がない。
だから、救急箱が会社のどこにあるのか? 救急箱内の道具の使い方は?
これらの点についても、労働者に伝えておかなければならない。
また、救急箱の中身についても、最低限入れて置く物に関しても規定がある。
会社の救急箱:中身に関する義務
会社の救急箱には、最低でも以下の物を入れておくように義務付けられている。
- 全ての職場の救急箱
○包帯材料
○ピンセット
○消毒薬 - 火傷する可能性のある職場の救急箱
○上記、全ての職場の救急箱の中身
○火傷薬を加える - 重大な怪我をする可能性のある職場の救急箱
○上記、全ての職場の救急箱の中身
○止血帯
○副木
○担架など
以下は義務ではないけど、上記の中身にプラスしたい道具類だよ。
これらがあれば、イザという時に役立つことが多い。
- 絆創膏(ばんそうこう)
- はさみ
- 心肺蘇生法に使うマウスピース
- 救急箱と別にAEDもあった方が良い
救急箱内の常備薬について
頭痛や腹痛などの常備薬。
これを救急箱に入れておくのは、法律的に問題がある可能性がある。
もしも常備薬を会社内に置いておきたいのなら、以下のような条件を満たす必要があるから注意をしたい。
- 健康管理室や保健室を設置
- 産業医や保健師、看護師を置く
- 診療所の認可を受ける
こういった条件を満たさないと、本来は常備薬を渡すのは難しい。
こんな手もある
上記の条件を考えると、会社に常備薬を置いておくのは難易度が高いように感じられると思う。
でも会社に、合法的に常備薬を置いておく方法がある。
それは置き薬。
置き薬というのは、薬事法上で配置薬として置くことが前提で認可を受けている。
だから置き薬であれば、会社に置いておくことが可能だよ。
もちろん、責任者を立てて説明を受けることが前提なんだけどね。
※この辺りは複雑だから、色々な条件で変わってくるから注意。
会社の救急箱に関する注意点
会社に救急箱を設置したのなら、少し注意をしたいことがある。
それは、救急箱の管理者を決めておくこと。
会社の救急箱に管理者がいない場合、以下のような問題が起きかねない。
- 使用期限の問題
○消毒薬などには使用期限がある - 誰かが勝手に薬を入れる可能性
○自分の薬を救急箱に入れる人がいる
→知らずに他の人が飲んだら危ない - 足りない物が出る可能性
○補充する人がいないと無くなった品が分からない - 中が不衛生になるかも
○中にカビが生えるなどの可能性 - こっそりと中身を持ち帰ろうとする人がいる
○特に薬を置いてある場合には注意!
他にも、色々な問題が生じかねない。
そういったトラブルを避けるためにも、会社の救急箱には必ず管理者をつけよう。
終わりに
今回は、会社の救急箱の中身についてリサーチをしてみた。
救急箱は、緊急時に使用する物。
必要がない状態が一番良いけど、無いとイザという時に大きな問題になる。
人命尊重という意味もあるし、設置義務のある物がなかったとなれば会社の信用問題にもなるから気を付けないとならない。
労働者のためにも会社のためにも、救急箱はしっかりと設置しておこう☆-( ^-゚)v
救急箱関連の記事
救急箱は、自宅にも置いておきたい。
会社だけでなく自宅でもイザということは起こるからね。
また、救急箱が最も活躍するのは、人が活発に動く場所。
例えばスポーツを行っているときなんかは、怪我をする可能性が高いので救急箱を手元に用意しておきたい。