自転車は、免許なしで利用できる手軽な乗り物。

 

そんな自転車が保険義務化になるという話がある。

 

この記事では、その自転車の保険義務化について詳しく解説させて頂こうと思う。

 

自転車保険に加入していない場合にどのような法的なリスクがあるか、自転車保険の選び方やおすすめの保険会社なども紹介する。

スポンサードリンク

1章:自転車保険の義務化とその背景

自転車保険の義務化とは、自転車に乗る人が自転車事故によって他人に怪我をさせてしまった場合。

 

加害者が高額な賠償金を支払うことができるようにするための措置。

 

自転車事故は近年増加傾向にあり、2019年には約13万件発生した。

 

そのうち約3万件が歩行者との衝突事故であった。

 

自転車事故は、被害者だけでなく、加害者にも大きな負担をかける。

 

例えば、2013年に東京都で起きた事故では、自転車に乗っていた女性が歩行者と衝突し、歩行者が死亡したことで、女性は約4700万円の賠償金を支払うことになった。

 

このような事態を防ぐために、自転車保険の加入を義務付ける条例が各地で制定されている。

 

自転車保険は、自転車事故による賠償責任を補償する保険である。

 

自動車保険と同様に、第三者賠償責任保険(対人・対物)と任意の補償(人身傷害・損害・盗難)がある。

 

2章:自転車保険の義務化の対象地域と罰則

2023年4月時点で、自転車保険への加入を義務付ける条例が制定されているのは、現在は32都府県と1政令市である。

 

また10道県では、保険加入を努力義務としている。

 

以下は、自転車保険の義務化の対象地域とその実施時期の一覧である。

 

地域実施時期
北海道2023年4月1日
青森県2020年4月1日
岩手県2020年4月1日
宮城県2018年10月1日
秋田県2020年4月1日
山形県2019年10月1日
福島県2019年10月1日
茨城県2018年10月1日
栃木県2018年10月1日
群馬県2018年10月1日
埼玉県2018年10月1日
千葉県2018年10月1日
東京都2018年10月1日
神奈川県2018年10月1日
新潟県2020年4月1日
富山県2020年4月1日
石川県2020年4月1日
福井県2020年4月1日
山梨県2019年10月1日
長野県2019年10月1日
岐阜県2020年4月1日
静岡県2019年10月1日
愛知県2019年10月1日
三重県2020年4月1日
滋賀県2020年4月1日
京都府2020年4月1日
大阪府2020年4月1日
兵庫県2020年4月1日
奈良県2020年4月1日
和歌山県2020年4月1日
鳥取県2020年4月1日
島根県2020年4月1日
岡山県2019年10月1日
広島市2018年10月1日

 

自転車保険の義務化に伴う罰則は、条例によって異なる。

 

でも一般的には以下のようなものが罰則となる。

 

  • 自転車保険に加入していないことが発覚した場合
    警告や勧告を受ける
  • 自転車保険に加入しないまま自転車に乗り続けた場合
    罰金や自転車の没収などの行政処分を受ける
  • 自転車保険に加入していないまま自転車事故を起こした場合
    刑事責任や民事責任を問われる

 

罰則の具体的な内容や金額は、条例によって異なるので、各地域の条例を確認する必要がある。

 

3章:自転車保険の義務化の対象者

自転車保険の義務化の対象者は、基本的には自転車に乗る全ての人である。

 

ただし、以下のような例外がある。

 

  • 他の保険で自転車事故に対する補償が含まれている場合
    自動車保険や火災保険など
  • 自転車を貸し出す事業者が自転車保険に加入している場合
    自転車レンタル業者や自転車シェアリングサービスなど
  • 他人から借りた自転車に乗る場合
    自分が所有する自転車に乗らず

 

これらの場合でも、自分が所有する自転車に乗るときは、自分で自転車保険に加入する必要がある。

 

また、他の保険や事業者が提供する補償の内容や範囲を確認しておくことも大切である。

 

4章:自転車保険の選び方とおすすめの保険会社

自転車保険に加入することが義務化されている地域では、自転車に乗る前に自転車保険に加入する必要がある。

 

しかし、自転車保険はどのように選べばいいのだろうか?

 

自転車保険を選ぶときには、以下の点に注意してほしい。

 

  • 補償内容
    自転車保険は、第三者賠償責任保険(対人・対物)と任意の補償(人身傷害・損害・盗難)がある。第三者賠償責任保険は、自転車事故で他人に怪我や損害を与えた場合に、賠償金を支払うための保険である。任意の補償は、自分や家族が自転車事故で怪我をしたり、自転車が壊れたり盗まれたりした場合に、治療費や修理費などを支払うための保険である。補償内容は、保険会社やプランによって異なるので、自分のニーズに合ったものを選ぶこと。
  • 補償金額
    自転車保険の補償金額は、保険料と比例して高くなる。しかし、補償金額が低すぎると、事故が起きたときに十分な補償が受けられない可能性がある。一方で、補償金額が高すぎると、必要以上に保険料を払うことになる。補償金額は、自分のリスクや財産状況に応じて適切なものを選ぶこと。
  • 加入方法
    自転車保険に加入する方法は、主に以下の3つである。

    • インターネット
      インターネットで自分で申し込む方法である。メリットは、時間や場所を選ばずに加入できることや、比較サイトなどを利用して様々なプランを比較できることである。デメリットは、自分で条件や内容を確認しなければならないことや、トラブルが起きたときに対応が遅れる可能性があることである。
    • 店頭
      自転車店やコンビニなどで申し込む方法である。メリットは、手続きが簡単で即日加入できることや、店員に相談できることである。デメリットは、店舗の営業時間や場所に制限されることや、選択肢が限られることである。
    • 代理店
      保険会社の代理店や代理人に相談して申し込む方法である。メリットは、専門的なアドバイスやアフターサービスが受けられることや、オーダーメイドのプランが作れることである。デメリットは、手数料がかかることや、中立性が保証されないことである。

 

 

自転車保険の選び方は、個人の状況や希望によって異なる。

 

自分に合った自転車保険を見つけるためには、様々な情報を参考にして、比較検討することが大切。

 

自転車保険のおすすめの保険会社

自転車保険で評価の高い保険会社は、以下の通り。

 

  • あいおいニッセイ同和損害保険
    自転車保険の先駆者であり、市場シェアも高い保険会社である。自転車事故による賠償責任だけでなく、盗難や損傷、人身傷害なども補償する。また、自転車レンタルや修理サービスなどの付帯サービスも充実している。保険料は年間約3000円からで、インターネットや店頭で加入できる。
  • 損害保険ジャパン日本興亜
    自転車事故による賠償責任だけでなく、盗難や損傷、人身傷害なども補償する。また、自転車レンタルや修理サービスなどの付帯サービスも充実している。保険料は年間約3000円からで、インターネットや代理店で加入できる。
  • 三井住友海上火災保険
    自転車事故による賠償責任だけでなく、盗難や損傷、人身傷害なども補償する。また、自転車レンタルや修理サービスなどの付帯サービスも充実している。保険料は年間約3000円からで、インターネットや代理店で加入できる。

 

5章:自転車保険の義務化のメリットやデメリット

自転車保険の義務化は、自転車事故の被害者や加害者の双方にメリットがある。

 

一方で保険料の負担や手続きの煩雑さなどのデメリットもある。

 

ここでは自転車保険の義務化に対する賛否両論や影響を、客観的なデータや事例をもとに分析する。

 

メリット

自転車保険の義務化によって得られるメリットは以下の通り。

 

  • 被害者の救済
    自転車事故によって怪我をしたり、財産を損壊されたりした被害者は、加害者が自転車保険に加入していれば、適切な補償を受けられる。これによって、被害者の医療費や修理費などの経済的な負担が減り、精神的な安心感も得られる。また、補償金額が明確になることで、加害者と被害者の間のトラブルや紛争も防げる。
  • 加害者の保護
    自転車事故によって他人に怪我や損害を与えてしまった加害者は、自転車保険に加入していれば、高額な賠償金を自分で払わなくても済む。これによって、加害者の財産や生活が破綻することを防げる。また、保険会社が代理人として被害者と交渉することで、加害者の精神的な負担も軽減される。
  • 自転車の安全意識の向上
    自転車保険の義務化は、自転車に乗る人に対して、自転車事故のリスクや責任を意識させる効果がある。これによって、自転車に乗る人は、交通ルールやマナーを守り、安全運転を心がけるようになる。また、自転車保険の義務化は、自転車の整備や点検を促すことで、自転車の安全性も向上させる。

 

デメリット

自転車保険の義務化によって生じるデメリットは以下の通り。

 

  • 保険料の負担
    自転車保険の義務化は、自転車に乗る人に対して、保険料を払うことを強制する。これは、経済的な負担となる。特に、低所得者や学生など、収入が少ない人にとっては、重い負担となるかもしれない。また、保険料は年間で一括で払わなければならない場合が多く、一時的な出費となる。
  • 手続きの煩雑さ
    自転車保険の義務化は、自転車に乗る人に対して、保険に加入するための手続きを求める。これは、時間や労力がかかる。特に、インターネットや代理店で加入する場合は、条件や内容を確認したり、契約書や証明書を受け取ったりする必要がある。また、保険期間が切れたら、更新するための手続きも必要である。
  • 条例の不統一さ
    自転車保険の義務化は、地方自治体が制定する条例によって行われている。これは、条例の内容や実施時期が地域によって異なることを意味する。例えば、罰則の有無や金額は各地域で違う。また、対象地域ではない地域で事故を起こした場合や、対象地域から他の地域へ引っ越した場合などの対応も不明確である。

 

 

このように都道府県ごとに条例の不統一があることによって、混乱や不公平感を生む可能性がある。

 

6章:自転車保険の義務化に関するQ&A

自転車保険の義務化に関して、疑問に思うことや不安に感じることがあるかもしれない。

 

ここでは、自転車保険の義務化に関するよくある質問とその回答をまとめる。

 

Q:自転車保険はどこで加入できるのか?

A:自転車保険は、インターネットや店頭、代理店などで加入できる。

 

インターネットでは、保険会社の公式サイトや比較サイトなどを利用できる。

 

店頭では、自転車店やコンビニなどで申し込み用紙を記入して加入できる。

 

代理店では、保険会社の代理店や代理人に相談して加入できる。

 

各方法のメリットやデメリットは、4章で解説した。

 

Q:自転車保険はどれくらい払わなければならないのか?

A:自転車保険の保険料は、保険会社やプランによって異なるが、一般的には年間約3000円から5000円程度である。

 

保険料は、補償内容や補償金額によって変わる。

 

補償内容や補償金額は、自分のニーズやリスクに応じて選ぶことができる。

 

また、家族割引や長期割引などの割引制度もある場合がある。

 

Q:自転車保険はどんな場合に使えるのか?

A:自転車保険は、自転車事故によって他人に怪我や損害を与えた場合や、自分や家族が怪我をした場合、自転車が壊れたり盗まれたりした場合に使える。

 

ただし、補償内容や範囲は、保険会社やプランによって異なるので、契約時に確認することが必要である。

 

また、事故が起きたときは、速やかに保険会社に連絡し、必要な書類や証拠を提出することが求められる。

 

Q:自転車保険はどうやって証明するのか?

A:自転車保険に加入したときは、保険会社から保険証書やシールなどを受け取ることができる。

 

これらは、自分が自転車保険に加入していることを証明するものである。

 

自転車保険の義務化の対象地域では、これらを携帯したり、自転車に貼ったりすることが推奨されている。

 

これによって、警察や自治体などの検査や確認に対応できる。

 

Q:自転車保険は更新しなければならないのか?

A:自転車保険は、契約期間が終了する前に更新しなければならない。

 

契約期間は、通常は1年間であるが、2年間や3年間などの長期契約もある場合がある。

 

更新するときは、インターネットや店頭、代理店などで手続きを行うことができる。

 

補償内容や補償金額を見直したり、他の保険会社やプランに変更したりすることができる。

 

ただし、更新時には、保険料が変わる場合があるので、注意すること。

 

7章:自転車保険を契約する際に最低限欲しい補償

自転車保険を契約する際には、自分のニーズやリスクに応じて補償内容や補償金額を選ぶことができる。

 

しかし、最低限欲しい補償は何だろうか?

 

ここでは、自転車保険を契約する際に最低限欲しい補償について、以下の点を解説する。

 

  • 第三者賠償責任保険
    自転車保険の中でも、最も重要な補償。自転車事故で他人に怪我や損害を与えた場合に、賠償金を支払うための保険。賠償金は、事故の状況や被害者の状態によって数百万円から数千万円にもなりうる。このような高額な賠償金を自分で払うことは困難である。そのため、第三者賠償責任保険は必ず加入するべきである。第三者賠償責任保険の補償金額は、少なくとも1億円以上が望ましい。
  • 人身傷害保険
    自転車事故で自分や家族が怪我をした場合に、治療費や入院費などを支払うための保険である。自転車事故で怪我をした場合、健康保険や労災保険などの公的な保障があるが、それだけでは不十分な場合がある。例えば、後遺症や障害が残った場合や、死亡した場合などである。そのため、人身傷害保険は加入しておくと安心である。人身傷害保険の補償金額は、少なくとも1000万円以上が望ましい。
  • 盗難・損害保険
    自転車が盗まれたり壊れたりした場合に、修理費や買い替え費などを支払うための保険である。自転車は比較的安価な乗り物であるが、高級な自転車やカスタマイズした自転車などは高額になる場合がある。また、自転車は盗難や損害の被害に遭いやすい乗り物でもある。そのため、盗難・損害保険は加入しておくと便利である。盗難・損害保険の補償金額は、自分の自転車の価値に応じて選ぶこと。

 

まとめ

この記事では、自転車保険の義務化について以下の点を解説した。

 

  • 自転車保険の義務化とその背景
  • 自転車保険の義務化の対象地域と罰則
  • 自転車保険の義務化の対象者
  • 自転車保険の選び方とおすすめの保険会社
  • 自転車保険の義務化のメリットやデメリット
  • 自転車保険の義務化に関するQ&A
  • 自転車保険を契約する際に最低限欲しい補償

 

自転車保険は、自分自身や家族の財産を守るだけでなく、被害者の救済にもつながる。

 

自転車に乗る場合は、自分に合った自転車保険に加入することをオススメしたい。

スポンサードリンク