メガネには遠用と近用、遠近両用がある。
これらはどのように違うのか?
またおすすめの選び方や値段について、今回の記事では詳しくお伝えさせて頂く。
メガネを使っている方なら、遠くと近くを見るときにメガネを変えたり、外したりするのが面倒だと感じたことがあるでしょう。そんなときに便利なのが遠近両用メガネです。遠近両用メガネは、一つのレンズで遠くも近くも見えるようになっているメガネです。しかし、遠近両用メガネはどのようにして遠くと近くを見分けるのでしょうか?また、どんな人におすすめなのでしょうか?そして、気になる値段はどれくらいなのでしょうか?この記事では、以下の内容を解説していきます。
- 遠用と近用のメガネがどのように違うのか
- 遠近両用メガネがどのように機能するのか
- 遠近両用メガネがおすすめな人とは
- 遠近両用メガネの選び方のコツやポイント
- 遠近両用メガネの値段っていくらくらいが相場なのか
あなたが知りたいことがこの記事で分かるはずです。最後までお読みくださいね。
1. 遠用と近用のメガネがどのように違うのか
まず、遠視用と近視用のメガネがどのように違うのかをお伝えさせて頂く。
遠視用と近視用のメガネの特徴を簡単にまとめると、以下のような感じになる。
- 遠視用:レンズが中央部分が厚く周辺部分が薄い凸レンズで、遠方を見やすくする
- 近視用:レンズが中央部分が薄く周辺部分が厚い凹レンズで、近距離を見やすくする
遠視用と近視用のメガネの使い方
手元や本など近くのものが見えにくい。
この場合は手元を見やすくするため近視用レンズのメガネを使う。
でも近視用レンズを使うと、今度は遠くを見る時に焦点がぼやけてしまう。
だから遠くを見る場合には、メガネを外す必要がある。
逆に遠くのものが見えにくい場合は、遠視用レンズを使うことになる。
遠視用と近視用のメガネの欠点
遠視用と近視用のメガネには以下のような欠点がある。
- メガネを持ち歩かなければならない
- メガネを変えたり外したりするのが面倒
- メガネを変えるときに視界がぼやけたりする
- メガネを忘れたり紛失したりするリスクがある
これらの問題を解決するのが遠近両用メガネ。
2. 遠近両用メガネがどのように機能するのか
遠近両用メガネは、一つのレンズで遠くも近くも見えるようになっている。
これは、レンズの上部と下部で度数を変えているため。
レンズの上部は遠視用、下部は近視用。
目線を動かすことで見たい距離に合わせてピントを合わせることができる。
これが遠近両用メガネの基本的な仕組み。
進化した遠近両用メガネ
遠近両用メガネにはさらに進化したタイプもある。
それが累進多焦点レンズと呼ばれるレンズ。
累進多焦点レンズの構造は、レンズの上部と下部だけでなく、中間部分も度数が徐々に変化するように設計されている。
これにより、遠方から中距離、近距離までスムーズに見えるようになる。
またレンズの境目がないため、見た目も自然で美しい。
この累進多焦点レンズは現在の遠近両用メガネの主流となっている。
遠近両用メガネのメリットとデメリット
遠近両用メガネの最大のメリットは、一本のメガネで遠くと近くの両方が見えること。
これにより、メガネを掛け替える手間やコストが省ける。
また普通のメガネと見た目が変わらないため、老眼対策をしていることが周りに気づかれにくいという利点もある。
遠近両用メガネのデメリット
一方で、遠近両用メガネにはデメリットもある。
例えば、レンズの端に揺れや歪みが出やすい。
また視野が狭くなりやすいという特徴もある。
これらはレンズの設計やフィッティングによって改善できる場合もあるけど、慣れるまでに時間がかかることも。
また遠近両用メガネは治療用ではない。
よって補正用であるため、老眼の進行を防ぐことはできない。
遠近両用メガネの種類や特徴
遠近両用メガネには、様々な生活パターンに合わせた種類がある。
その主なものをまとめると以下のようになる。
- 近々タイプ
手元重視で室内専用のタイプ。約40cm~80cmくらいの距離での使用に最適。華道や読書など、室内での趣味や細かい作業をされる方におすすめ。 - 中近タイプ
室内で活動される方向けのタイプ。約40cm~3mの距離での使用に最適。お買物、家事、コンピュータ画面を見ての作業などに便利。 - 遠近タイプ
オールマイティなタイプ。約50cmから無限遠まで、幅広い焦点距離が見える。メガネを常用される方や、主に屋外で活動される方におすすめ。
また、レンズの設計にも3種類ある。
- 外面累進レンズ
レンズの外側に累進面(度数が変化する面)を設計したレンズ。遠用から近用まで目の移動距離が小さく疲れにくいという特徴がある。メガネを常用している方におすすめ。 - 内面累進レンズ
レンズの内側に累進面を設計したレンズ。累進面が眼に近いため、近用の視野が広く歪みも少ないという特徴がある。メガネが初めての人におすすめ。 - 両面複合累進レンズ
レンズの両側に累進面を設計したレンズ。視野が広く、揺れや歪みが大幅に少ないという特徴がある。遠視の方や度数の強い方におすすめ。
3. 遠近両用メガネがおすすめな人とは
遠近両用メガネは、老眼や近視などで遠くと近くを見るときにメガネを変えたり外したりするのが面倒な人におすすめ。
特に以下のような人には遠近両用メガネが便利。
- パソコンやスマホなどの画面を見る機会が多い人
- 車や自転車などの運転をする人
- 読書や手芸などの趣味を楽しむ人
- テレビや映画館などで映像を楽しむ人
- 外出時にかけっぱなしで使いたい人
遠近両用メガネは、これらのシーンで一つのメガネで済ませることができる。
そのため、視力の変化に応じて目線を動かすだけで良くなるという特徴もある。
4. 遠近両用メガネの選び方のコツやポイント
遠近両用メガネは便利な一方で、使いづらくて後悔したという人も少なくない。
後悔する可能性を減らすには、遠近両用メガネを作る際に、以下のポイントに気をつけて選ぶとよい。
- どんなシーンで使うのかを明確にする
- 適したフレームを選ぶ
- 自分の体と相談する
どんなシーンで使うのかを明確にする
遠近両用メガネのレンズには、いくつかの種類がある。
そしてレンズの種類ごとに、見え方も違ってくる。
だから、どのようなシーンでメガネを使うのかメガネの購入前にハッキリとさせておきたい。
適したフレームを選ぶ
累進多焦点レンズは、レンズの上部と下部で度数が変わる。
このためフレームの大きさや形によって見え方が変わってくる。
一般的には、以下のような特徴のあるフレームがおすすめだとされている。
- レンズの高さがある程度あるもの
- レンズの下部が丸みを帯びているもの
- フレームの色が明るいもの
レンズの高さがある程度あるものは、レンズの上部と下部の境目が目立たなくなる。
また、レンズの下部が丸みを帯びているものは、近距離を見るときに視界が広くなる。
フレームの色が明るいものは、顔になじみやすく、老けて見えない効果がある。
避けた方が良いフレーム
避けた方が良いと言われるフレームもある。
- レンズの高さが低いもの
- レンズの下部が直線的なもの
- フレームの色が暗いもの
レンズの高さが低いものは、レンズの上部と下部の境目が目に入りやすい。
このため見え方に違和感を感じる可能性がある。
レンズの下部が直線的なものは、近距離を見るときに視界が狭くなる。
フレームの色が暗いものは、顔に重たく映り、老けて見える可能性がある。
自分の体と相談する
遠近両用メガネは、目線を動かすことでピントを合わせる。
このため付け始めたばかりの頃は慣れるまでに時間がかかることがある。
慣れるまでは以下のような症状を感じる人は多い。
- 頭痛やめまい
- 目や首の疲れ
- 視界がぼやけたり歪んだりする
症状が改善しない場合
これらの症状は、遠近両用メガネに慣れることで改善される場合が多い。
しかし改善されない場合もある。
そのような時には、以下のような原因が考えられる。
- メガネの度数や調整が合っていない
- メガネと目との距離や角度が適切でない
- メガネをかける時間や頻度が不足している
これらの原因を解消するためには、以下のような対策を取るようにしよう。
- メガネ屋さんに相談してメガネを調整してもらう
- メガネを鼻先にかけずに目と近づけてかける
- メガネをかけ始めたらできるだけ長くかけ続ける
遠近両用メガネは、自分の体と相談しながら使うことで快適に使えるようになる。
無理をせずに慣れていこう。
5. 遠近両用メガネの値段
遠近両用メガネの値段は、レンズの種類や品質、フレームの素材やデザインなどによって大きく異なる。
一般的には、以下のような価格帯が目安とされている。
- 累進多焦点レンズ:2万円~10万円
- フレーム:1万円~5万円
上記から遠近両用メガネは、合計で3万円~15万円くらいが相場であるといえる。
ただし、これはあくまで目安。
安いものや高いものもある。
また、メガネ屋さんによっても価格設定が異なる。
このため、自分の予算や希望に合わせて、複数のメガネ屋さんを比較してから購入を決めることをお勧めしたい。
遠近両用メガネの保険適用や補助金について
遠近両用メガネは、一般的な視力補正用のメガネとは異なる。
保険適用や補助金の受給が可能。
ただし、いくつかの条件を満たしている必要がある。
主な条件は以下の通り。
- 保険適用の対象年齢は9歳未満であること。
- 支給対象は小児の弱視、斜視及び先天白内障術後の治療用として用いる眼鏡及びコンタクトレンズであること。
- 支給を受けられるのは原則として1つ目のメガネのみであること。
保険適用や補助金を受けるためには、以下の手順を踏む必要がある。
- 眼科を受診し、治療用眼鏡作成指示書(処方箋)を受け取る。
- メガネ店に作成指示書を持参し、眼鏡を作成し、全額を支払い領収書を受け取る。
- 加入している保険機関より療養費支給申請書を受け取り、必要事項を記入し、作成指示書と領収書と一緒に提出する。
- 申請が受理されると、後日保険機関より支給決定通知が届き、通知書に記載された支給決定金額が指定の口座に振り込まれる。
- お住まいの市区町村によっては、こども医療費助成金の申請もできる場合がある。その場合は、作成指示書と領収書のコピーを添えて申請する。
まとめ
この記事では、メガネの遠用と近用、遠近両用メガネについてお伝えした。
良いメガネを選ぶには、購入前の準備が大切。
例えばレンズの種類によって見え方が違うので、メガネの購入前にはどのようなシーンで使うのかハッキリさせておくことが大切になってくる。
この、どのようなシーンで使うのかハッキリさせることは比較的簡単に行える。
だから、最低でも使うシーンをハッキリさせることについては、購入前に行っておくようにしよう。