食あたり防止

食あたりといえば、夏のイメージが強い。

 

でも実際は、食べ物の保存状態によっては他の季節でも起こっている。

 

それらの食あたりは、食べ物の保存方法を間違えたのが原因であるという場合も──。

 

今回の記事では、食あたりの原因を退治する食べ物の保存方法についてお伝えする。

スポンサードリンク

食あたりの原因

野菜、肉類、魚介類。

 

食べ物は色々な種類があるけど、いずれも違った特徴を持っている。

 

だから食品の保管は、その特徴を踏まえて行うのが大前提。

 

食べ物の保管は、以下のような傷む要因に気を使う必要がある。

 

食べ物が傷む要因
  • 温度
     ○食材によって苦手な温度が違う
  • 酸素
     ○空気に触れると
      →酸化する
      →微生物が増加する
  • 微生物
     ○酵素や酸素で増殖する

  •  ○変色や傷みを早める
  • 酵素
     ○カビや細菌が増殖する
  • エチレンガス
     ○野菜や果物から放出
     ○エチレンガスは熟成を促す
      →追熟や腐敗を早める
  • 湿度
     ○傷むのが早くなる

 

食あたり対策の基本は正しい保存から

食あたり

鮮度がいくら高くても、保存方法や保存場所によってはすぐに傷んでしまう。

 

そのためには、最も基本となるのが傷む原因の排除

 

食べ物を保存する前に一手間を加えることで、長く安心して保存できるようになる。

 

食べ物が傷むのを避ける一手間
  • 水分を拭き取る
     ○余分な水分をペーパータオルで拭き取る
  • 酸素をカットする
     ○ラップでピッチリと包み込む
      →冷蔵の場合は更にポリ袋などに入れる
      →冷凍の場合は更に冷凍用保存袋に入れる
  • 低温の場所で保存
     ○食材の特徴にあった温度の場所に保存
      →冷蔵室、冷凍室、冷暗所など
  • 食べ物に合った体勢で保存
     ○食べ物によっては立てた方が良い場合も
  • 塩や酢を利用する
     ○塩や酢を使うと長持ちする場合が多い
     ○下味をつけると良い場合もある

 

食あたりを避ける基本的な食べ物の保存方法

食あたりを避けるためには、食べ物にあった適切な保存方法を選ぶことが大切。

 

では、食べ物にはどのよう保存方法があるのかというと──?

 

基本的な保存方法
  • 常温保存
     ○向いている食べ物
      →イモ類
      →泥つきの根菜
      →低温が苦手な野菜や果物
     ○常温の意味
      →15~25度
      →直射日光が当たらない場所
      →湿度が低い場所
     ○似た言葉に冷暗所がある
      →14度以下の場所
      →通気性が良い場所
      →直射日光が当たらない場所
     ○適した食材
      →イモ類
      →根采類(泥付き)
      →低温に弱い野菜や果物
  • 冷蔵保存
     ○向いている食べ物
      →葉物野菜
      →キノコ類
      →新玉ねぎ
      →洗ったニンジンやゴボウ
      →肉類
      →魚介類
      →卵類
      →豆腐
     ○4種類の保存場所を使い分ける
      →バーシャル室
       →生鮮食材(肉、魚介類など)
      →チルド室
       →0℃
       →凍らせたくない食べ物
       →生鮮食材(肉、魚介類など)
      →冷蔵室
       →0~5℃
       →青菜、キノコ類向き
      →野菜室
       →5~10℃
       →夏野菜などが向いている
       →低温障害を起こしやすい野菜も
  • 冷凍保存
     ○家庭用冷凍室は-18℃
      →鮮度を落とさないためには温度が心もとない
       →鮮度を落とさないためには工夫が必要
        →冷凍用保存袋を使うなどする
        →空気をしっかりと抜く
         →空気は熱伝導率を下げるから
        →金属のトレイに乗せるのも良い
      →美味しく冷凍をするのなら
       →冷凍による細胞破壊を防ぐ
        →細胞破壊は水分の変化が原因
        →塩もみや加熱処理をして水分を減らす
  • 干す
     ○向いている食べ物
      →水分の少ない食べ物
       →根菜やキノコ類
     ○干す日は湿度に注意
      →冬でも晴れた日は乾燥しやすい
      →夏は基本的にOK
       →でも湿度の高い日はダメ
     ○食べ物に合わせた干し方がある
      →野菜の場合
       →ザルなどに重ならないように広げる
       →皮のついたままでOK
     ○干すことで水分が減る
      →傷みにくくなる
      →旨味が凝縮される
     ○オーブンで乾燥させるという手もある
     ○使うとき
      →そのままでも使える物もある
      →水で戻すて使う場合が多い
       →あくが強い物は軽く茹でる
  • 漬ける
     ○向いている食べ物
      →白菜
      →大根
      →キュウリ、カブ
      →キャベツ
      →ニンジン
      →ナス
      →肉類
      →魚介類
     ○調味料に漬けることで長持ちする

 

常温保存のコツ

食べ物

常温保存が適しているのは、野菜や果物に多い。

 

でもいくら常温保存が好ましい食べ物でも、そのまま置いておくというわけにはいかない。

 

常温保存をする場合にも、保存の前には一手間を加えたいところ。

 

常温保存の一手間の例
  • ニンニクや玉ねぎ
     ○ネットなどに入れて吊るす
  • バナナ
     ○フックに引っ掛ける
  • トマトやナス
     ○新聞紙などに包んでカゴに入れる
  • 長ネギやゴボウ
     ○新聞紙で包んで紙袋に入れる
      →その後は立たせて保存する
  • リンゴ
     ○新聞紙で包んで段ボールの中に並べる
  • 芋類
     ○段ボールに並べる
      →その後は芋の上に新聞紙をかぶせる
     ○段ボールのフタは閉じない

 

冷蔵保存のコツ

冷蔵保存は、10℃以下の保存場所が適している場合に使われる。

 

ただし細菌の繁殖を防ぐという目的と、食品の状態を保つという目的の2つを両立させる必要がある。

 

このため、温度の違う4つの冷蔵環境を使い分ける必要がある点には注意をしたい。

 

また土がついていれば常温保存が良いとされる野菜も、洗って土を落とした場合には冷蔵保存が推奨されることも多い点にも注意が必要。

低温障害を起こしやすい場合は一工夫

夏野菜のように低温障害を起こしやすい食べ物には、冷蔵保存をする前に一工夫をしたい。

 

その工夫というのは──?

 

低温障害を起こしやすい場合の一工夫
  • 水分をしっかりと取ってから冷蔵保存
     ○特に肉や魚は水分を拭き取る
  • 乾いたペーパータオルで包む
     ○野菜から出る水分で蒸れないようにする
  • ビニール袋などの口を軽く閉じる
     ○乾燥とエチレンガスの影響を防ぐため

 

冷蔵室には、色々な食べ物が入れられる場所。

 

このため細菌が繁殖しやすいので、水分を拭き取るなどの一工夫は、他の食品が最近にやられるのを防ぐという目的もある。

スポンサードリンク

冷凍保存のコツ

冷凍保存は、他の保存方法よりも少し難易度が高い。

 

解凍後を考えて、事前に一工夫をしておかないと後悔することに──。

 

冷凍保存の工夫の一例
  • ブランチングする
     ○固ゆでや蒸すなどを事前に行う
      →変色などを防げる
  • 氷膜を作っておく
     ○氷水にくぐらせてからラップに包んで冷凍する
      →表面に氷膜ができるので酸化防止に
  • 下味をしてから冷凍
     ○調味料などで下味をつける
      →解凍時のドリップなどを防げる

 

冷凍保存は解凍も大切

どんなに冷凍保存を上手に行っても、解凍で失敗をすれば泣くはめになりかねない。

 

だから冷凍保存は、解凍も含めて大切な作業だと考えよう。

 

解凍方法の例
  • 自然解凍
     ○最も基本的な解凍方法
      →冷蔵室で解凍をする
     ○肉や魚に適している
     ○6~8時間は解凍に必要
  • 流水解凍
     ○肉や魚介類の解凍を急ぐ時向け
     ○冷凍用保存袋に水が入らないように注意
     ○解凍には30分ほどかかる
  • 電子レンジを使った解凍
     ○野菜の解凍を急ぐ時向け
     ○解凍キーか弱で解答をする
      →加熱のし過ぎに注意が必要

 

冷凍の注意点

食べ物を冷凍する際には、色々と注意をしないといけない点がある。

 

それらの注意点の中でも、多くの食べ物に共通する、ものをココではお伝えする。

注意点1:冷凍する際にはパックなどでしっかりと密閉をしよう

食材の脂肪分が空気に触れると酸化をすることに。

 

酸化をすると、変色や風味が落ちる原因になってしまう。

 

だから冷凍をする際には、パックを使うなどしてしっかりと密閉することが大切となる。

注意点2:冷蔵庫や冷凍庫の開け閉めは減らす

冷蔵庫の開け閉めするたびに温度は変化する。

 

この開け閉めによる温度の変化は、冷凍室にも当てはまる。

 

冷凍室内の温度が変化を繰り返すと、食べ物にがついてしまう。

 

この霜は、食べ物を乾燥させる原因になる。

 

だから冷蔵庫や冷凍庫の開け閉めの回数は、なるべく少なくする必要がある。

注意点3:加熱後の冷凍は避ける

加熱後に冷凍

 

これをやると食べ物がまずくなる。

加熱調理後に冷凍をするとどうなる?

ハンバーグや切り身は、加熱調理をしてから冷凍をするというのは避けたい。

 

加熱後に冷凍をすると──

ハンバーグの場合=肉汁が失われてパサパサに。

切り身魚の場合=脂が落ちてパサパサに。

 

このような感じで、食べ物から潤いが失われてしまう。

なぜパサパサになるのか?

加熱調理を行うと水分が失われる。冷凍をした場合にも水分が失われる。

 

だから加熱+冷凍の2重で水分が失われていることになる。

 

さらに水分が失われた状態で冷凍庫内の空気に触れると、食べ物のたんぱく質が変質したり油が酸化したりしてしまう。

スポンサードリンク

食あたり(食中毒)の原因

温暖化していると言われるようになって久しい昨今。

 

夏場だけでなく、他の季節も食あたりに見舞われる可能性が高まっている。

食あたりの原因

食あたりは、もともと自然界に存在するカビや細菌などの微生物が原因で生じる。

 

微生物が繁殖した食べ物を摂取。すると体内に処理できない数の微生物が入り込み、体内で増殖してしまう。

 

そして食あたり(食中毒)に──。

食あたりを防ぐために

冷蔵庫

食あたりを防ぐのなら、やはり食べ物についた微生物を増やさないことが大切になる。

 

そのための基本は、微生物が増えにくい環境に食べ物を補完すること。

 

例えば冷蔵庫のような低温の場所は、多くの微生物が苦手とする場所であり、微生物が増えにくい場所として有名。

 

だから冷蔵庫での保存が可能な食べ物であれば、なるべく冷蔵庫を活用したい。

ただし詰め込み過ぎに注意

冷蔵庫は、詰め込み過ぎると本来の性能を発揮できない。

 

食べ物などを詰め込み過ぎた冷蔵庫は、隅々まで冷気を届けるのが難しくなってしまうから。

冷蔵庫内は清潔に

詰め込み過ぎと共に気を付けたいのが、冷蔵庫内を不衛生な状態にすること。

 

不衛生な環境では、いくら冷蔵庫内とはいえ微生物が繁殖しやすくなってしまう。

 

だから定期的に冷蔵庫内を整理したり、隅々まで掃除をしたりすることも大切になる。

おわりに

今回は、食あたりを防ぐ基本となる食べ物の保存方法についてお伝えした。

 

食あたりは、ちょっとした油断が原因でなることも多い。

 

特に食べ物の保存方法の失敗は、食あたりのよくある原因。

 

夏場だけでなく他の季節でも、保存方法の失敗は危ないから気を付けるようにしようね☆-( ^-゚)v

スポンサードリンク