夕立とは? 秋の夕立の意味とメカニズムの秘密
雨のメカニズムで有名なのが、
- 地上の空気や水蒸気が熱されて上空に向かう。
- 上空で空気や水蒸気は冷やされ雲となり雨を生む。
上記のような原理が有名。
でも夕立のメカニズムには、
雨のメカニズムに加えて地形の影響も加わる。
今回は通常の雨と夕立との違いをまとめてみた。
秋の夕立とは? 夕立のメカニズム
夕立の地形の影響とは…
- 夏の晴天日には山に向かい谷風が吹いている。
このとき山に向かう谷風は水蒸気をたくさん集める。 - 谷風は様々な影響を受けて上昇する。
(地上からの加熱、他の風からの影響、山という地形などの影響)
このように山の影響で夕立が発生するので、
夕立は山に発生しやすい。
上昇中の空気について
上昇中の空気や水蒸気が、
雲となり雨を降らせる正式なメカニズムをまとめる。
- 上記のように地上の熱と山という地形の影響により空気が上昇していく。
このとき上昇中の空気は断熱変化であるため周囲の空気との熱交換がほとんど出来ない。 - 上空は気圧が低いため膨張して水蒸気の密度が下がって温度も下がる。
- 次の段階で凝結を始めるが空気は凝結を始めると凝結熱の影響で温度が下がりにくくなる。
温度が下がりにくくなるため凝結を始めた空気は周りの空気より暖かい空気になる - 暖かい空気となるので、凝結を始めた空気は更に上昇していき大きな積乱雲になる。
- その後、積乱雲の中で水滴や氷粒がくっついたりして大きくなり、重さに耐えられなくなり落ちてくる。
秋の夕立とは? ゲリラ豪雨と夕立の違い
秋の夕立とは? このように考えた場合、
夕立とゲリラ豪雨との違いはあるのか疑問を持つ方も多い。
夕立とゲリラ豪雨の違いについてまとめる。
秋の夕立とゲリラ豪雨の共通点
まずは夕立とゲリラ豪雨が混同される原因である
夕立とゲリラ豪雨の共通点についてまとめると…
- 夏に降る局地的な雨
- よく雷が伴う
- 豪雨であること
- 気象学上での正式名ではない
上記4つが夕立とゲリラ豪雨の共通点となる。
秋の夕立とゲリラ豪雨 最大の違い
ゲリラ豪雨と夕立を比べた場合、
最大の違いは雨を降らせる時間帯。
夕立は夕方からの雨。
一方、ゲリラ豪雨は昼間でも雨が降る。
夕立とゲリラ豪雨の違いの詳細
夕立とは?
夕立については発生のメカニズムについて、
『秋の夕立とは? 夕立のメカニズム』でまとめた。
でも、読み飛ばしたくなる文字数だと思うので
軽くメカニズムに関して最初にまとめておく。
夕立の発生のメカニズム簡略版
- 平野部~山間部において、夏の昼間に暖められた空気が夕方あたりに上昇する。
- 上空の寒気とぶつかるなどし積乱雲が発生。
- 移動しながら雷を伴う雨を降らせる。
夕立、気象学的には
実は夕立という現象は、
気象学的に明確な定義は存在しない。
気象学上で夕立は以下の現象として扱われている。
- 集中豪雨
- にわか雨
- 雷雨
- 驟雨
夕立の具体的な目安
世間で夕立と呼んでいる雨は、
目安の雨量は以下のとおり。
- 直径10km~数十kmの範囲で、
時間雨量50ミリを超える夕方以降に降る雨であること。
ゲリラ豪雨とは?
ゲリラ豪雨の発生の特徴について
- 日中に暖められた空気が海から水蒸気を含みながら急激に上昇する。
- 気流が発生して積乱雲を生む。
- 昼間でも雨を降らせる。
ゲリラ豪雨は2008年から気温と海水温の上昇が原因で多発しており、
沿岸の大都市は毎年のようにゲリラ豪雨の被害を受けている。
ゲリラ豪雨という名前について
ゲリラ豪雨という言葉は2008年の7月~8月にかけて
全国で局地的な雨が多発したときに考えだされた名前で、
流行語大賞で賞をとっている。
ゲリラと名前に付く理由
発生する範囲が1k㎡程度など極めて小さく
豪雨のレーダーではデータが集まらないため、
予測が難しかったことが関係している。
レーダーが役に立たないためサポーターという会員たちによる
人海戦術で情報を集めざる得なかった。
このような事情があり、見つけにくい豪雨ということで、
ゲリラという言葉が名前に含まれるようになった。
しかし最近では雷雲レーダーの技術の発展や
全国への雷雲レーダー設置が進んだことにより発見しやすくなっている。
ゲリラ豪雨 気象学上の扱い
- ゲリラ豪雨以外にも、ゲリラ雷雨やゲリラ雨とも呼ばれている。
- 日本の気象庁は、ゲリラ豪雨を予報の用語としては使用していない。
- 気象学でも明確な定義がない。
秋の夕立とは? 意味とメカニズムの秘密 まとめ
小学校の頃、夕立に遭遇してビショ濡れ。
半泣き状態で帰った思い出がある。
そして自宅に到着しても、
鍵がかかっていて2~3時間ほど玄関前に放置…
………
……
…
己の無力さを感じる経験だった( ̄∇ ̄+)