バーベキューでの楽しいひとときの後、残った炭の取り扱いについて考えることは少ないかもしれない。
しかし、適切な保存方法を知っておくことで、炭を無駄にせず、次回のバーベキューでも活用することができる。
この記事では、バーベキューで残った炭の保存方法と再利用方法について、詳しく解説していきる。
バーベキューの残った炭について
バーベキューで炭は、使った後は多くの場合、水で消火してそのまま捨てるという方が多い。
しかし、実は残炭を適切に処理しなければ、環境汚染を引き起こす可能性があるので注意が必要。
どんな環境汚染が起こるのかというと、不完全燃焼した炭には、有害物質が含まれていることが分かっている。
これらの物質が雨水によって土壌に溶け込み、河川や海を汚染する可能性がある。
一方で不適切に保存された炭は、品質が劣化し、次回のバーベキューで思うように燃え上がらないという問題も。
そこで本記事では、環境と品質を守るための、バーベキュー残炭の 「効果的な保存方法」 を提案させて頂こうと思う。
バーベキューで残った炭を保存する方法
バーベキューで残った炭は、種類によって適切な保存方法が異なる。
それぞれの炭ごとに特徴に違いがあるので、その違いに合わせた保存方法を選ぶことで、次回のバーベキューで効率的に再利用することができる。
炭の種類別保存方法
- 備長炭
乾燥した風通しの良い場所に保管する。 - 竹炭
同じく乾燥させ、湿気を避けるために布袋に入れて保管する。 - オガ炭
密閉容器に入れて湿気から守りる。 - 豆炭
小さな炭なので、空気に触れないようにビニール袋で密封する。 - ホワイト炭
空気を遮断し、湿気の少ない場所に保管する。
各炭の種類別保存方法を詳しく
備長炭
- 特徴
高温で長時間燃焼し、遠赤外線効果が高い炭。 - 保存方法
乾燥した風通しの良い場所に保管する。直射日光や雨に濡れないように注意しよう。 - オススメの保存場所
風通しの良い納屋やガレージ、押入れなど。新聞紙などに包んでから密閉容器に入れ、さらに段ボール箱に入れて保管すると、湿気やホコリから守ることができる。
竹炭
- 特徴
竹を原料とした炭で、備長炭よりも軽量で扱いやすい。 - 保存方法
乾燥させ、湿気を避けるために布袋に入れて保管する。新聞紙などを一緒に包むと、消臭効果も期待できる。 - オススメの保存場所
風通しの良いクローゼットや衣装ケース、靴箱など。布袋に入れて吊るしておくと、場所を取らずに保管できる。
オガ炭
- 特徴
木材のオガクズを原料とした炭で、安価で入手しやすいのが特徴。 - 保存方法
密閉容器に入れて湿気から守る。新聞紙などを一緒に包むと、水分を吸収してくれる。 - オススメの保存場所
キッチン下収納や食品庫、物置など。密閉容器に入れて、湿気の少ない場所に保管しよう。
豆炭
- 特徴
小さな炭で、火起こしがしやすいのが特徴。 - 保存方法
空気に触れないようにビニール袋で密封する。新聞紙などを一緒に包むと、さらに湿気から守ることができる。 - オススメの保存場所
工具箱や釣り具入れ、防災グッズ入れなど。ビニール袋に入れて、密閉できる容器に入れて保管しよう。
ホワイト炭
- 特徴
高温で短時間燃焼する炭で、バーベキューの火起こしに最適。 - 保存方法
空気を遮断し、湿気の少ない場所に保管する。密閉容器やビニール袋に入れると良い。 - オススメの保存場所
密閉できるタッパーやジップロック、真空パックなど。湿気の少ない場所で、直射日光を避けて保管しよう。
炭の状態別保存方法
バーベキューで残った炭は、どの程度まで燃えたかなどの状態によっても適切な保存方法が異なる。
それぞれの炭の状態に合わせた方法で保存することで、次回のバーベキューで問題なく使用しやすくなる。
- 消火した炭
完全に熱が冷めるまで待ち、空気の流れる容器に入れて保管する。 - 濡れた炭
太陽の下でよく乾燥させた後、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れる。 - 半分燃えた炭
冷めた後、他の炭と分けて保管する。 - 細かくなった炭
灰と混ざらないようにし、ビニール袋で密封して保管する。
炭の状態別保存方法を詳しく
消火した炭
- 特徴
まだ熱が残っている可能性があるため、注意が必要。 - 保存方法
完全に冷めるまで待ち、空気の流れる容器に入れて保管する。密閉容器に入れると、内部に熱がこもり、炭が劣化する可能性がある。 - オススメの保存場所
風通しの良い網カゴや金属製の容器など。完全に冷めたことを確認してから、密閉容器に移し替えても構わない。
濡れた炭
- 特徴
水分を含んでいるため、カビが生えたり、燃焼効率が悪くなったりする可能性がある。 - 保存方法
太陽の下でよく乾燥させた後、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れる。新聞紙などを一緒に包むと、水分を吸収してくれる。 - オススメの保存場所
風通しの良い日当たりの良い場所。完全に乾燥してから、密閉容器に移し替える。
半分燃えた炭
- 特徴
完全燃焼していないため、次回の使用時に煙が出やすくなったり、臭いが発生したりする可能性がある。 - 保存方法
冷めた後、他の炭と分けて保管する。密閉容器に入れると、内部に熱がこもり、炭が劣化する可能性がある。 - オススメの保存場所
風通しの良い網カゴや金属製の容器など。完全に冷めたことを確認してから、密閉容器に移し替えても構わない。
細かくなった炭
- 特徴
火持ちが悪くなったり、灰が舞い上がったりする可能性がある。 - 保存方法
灰と混ざらないようにし、ビニール袋で密封して保管する。新聞紙などを一緒に包むと、水分を吸収してくれる。 - オススメの保存場所
風通しの良い場所。ビニール袋に入れて、密閉できる容器に入れて保管しよう。
色々な保存方法のメリット・デメリット
バーベキューで残った炭を保存する際には、様々な方法がある。
それぞれの方法には、メリットとデメリットがあるので、状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要となってくる。
- 密閉容器
メリット:湿気を防ぐことができる。
デメリット:容器が錆びる可能性がある。 - 新聞紙
メリット:炭を包むことで湿気を吸収する。
デメリット:火気には注意が必要。 - ビニール袋
メリット:炭を密封して湿気から守る。
デメリット:破れると炭がこぼれる可能性がある。 - 灰
メリット:炭を灰に埋めて保管することで湿気を防げる。
デメリット:取り出す際には手間がかかる。
保存方法のメリット・デメリットを詳しく
密閉容器
メリット:
- 湿気を防ぐことができ、炭の品質を保ちやすい。
- 炭の臭いを閉じ込めることができる。
- 積み重ねて収納できるので、場所を取らない。
デメリット:
- 容器が錆びる可能性がある。
- 完全密閉してしまうと、内部に熱がこもり、炭が劣化する可能性がある。
- 容器の素材によっては、炭のにおいが染み付いてしまうことがある。
オススメの密閉容器:
- プラスチック製:軽量で持ち運びやすいが、熱に弱いため、完全に冷めてから収納する。
- 金属製:丈夫で長持ちするが、錆びやすいので、乾燥した場所に保管する。
- ガラス製:密閉性が高く、においが移りにくい。
新聞紙
メリット:
- 炭を包むことで湿気を吸収し、カビの発生を防ぐことができる。
- 炭の臭いをある程度吸収してくれる。
- 安価で手に入りやすい。
デメリット:
- 火気には注意が必要。
- 濡れてしまうと、炭の品質を損なう可能性がある。
- 新聞紙のにおいが炭に移ってしまうことがある。
新聞紙を使う際の注意点:
- 新聞紙は完全に乾燥させてから使用する。
- 炭を新聞紙で包みすぎると、通気性が悪くなり、炭が劣化する可能性がある。
ビニール袋
メリット:
- 炭を密封して湿気から守ることができる。
- 軽量で持ち運びやすい。
- 安価で手に入りやすい。
デメリット:
- 破れると炭がこぼれる可能性がある。
- 密閉してしまうと、内部に熱がこもり、炭が劣化する可能性がある。
- ビニール袋のにおいが炭に移ってしまうことがある。
ビニール袋を使う際の注意点:
- 厚手のビニール袋を使用する。
- 炭を完全に冷めてから収納する。
- ビニール袋は二重にして使用する。
灰
メリット:
- 炭を灰に埋めて保管することで、湿気を防ぎ、炭の品質を保ちやすい。
- 消臭効果がある。
デメリット:
- 取り出す際には手間がかかる。
- 灰が舞い上がったり、炭に混ざったりする可能性がある。
灰を使う際の注意点:
- 完全燃焼した灰を使用する。
- 炭を灰に埋める際は、通気性を確保する。
- 取り出す際には、灰をふるいにかけて炭を取り出す。
保存方法の基本的な注意点
炭を保存する際には、直射日光や湿気を避けることが最も重要となる。
これらの条件は炭の品質を損なうだけでなく、自然発火のリスクを高める可能性がある。
したがって、炭は涼しく乾燥した場所に保管することが理想的。
炭の自然発火に注意
また、炭は自然発火する可能性があるため、通気性の良い容器を使用することが推奨されている。
密閉された空間ではなく、空気が循環できる容器を選ぶことで、炭が「呼吸」しやすくなり、発火のリスクを減らすことができる。
炭は定期的にチェックする必要がある
さらに、炭は定期的にチェックする必要があるのも忘れてはいけない。
特に湿気の多い季節や雨が多い時期には、炭が湿気を吸収していないか、カビが生えていないかを確認しよう。
定期的なチェックにより、炭が最適な状態で保たれていることを確認できる。
炭の保存期間
適切に保存された炭は、一般的に数ヶ月から1年程度はその品質を保持することができる。
ただし、これは炭が湿気や直射日光から守られ、適切な温度で保管されている場合に限る。
炭の種類次第では短期間で品質が低下する
炭の種類によっては、より短い期間で品質が低下する可能性もあるので注意をしたい。
例えば、備長炭は非常に耐久性が高いため、長期間品質を保つことができるけど、一方で豆炭のような小さな炭は、比較的早く品質が低下する傾向がある。
保存状態によって保存期間が変わる
保存状態もまた、炭の品質を維持する上で重要な要素となる。
炭が湿気を吸収したり、不適切な温度で保管されたりすると、品質が著しく低下する可能性がある。
そのため、使用前には必ず炭の品質を確認することが推奨されている。
これには、炭がしっかりと乾燥しているか、表面にカビや異物が付着していないかをチェックすることが含まれる。
バーベキューで残った炭を再利用する方法
バーベキューで残った炭は、再利用できない物がある。
また再利用する際、そのまま使う以外にもいくつかの使い方が存在する。
再利用できない炭の種類
- 完全に灰化した炭
炭が完全に灰化してしまった場合、再利用は難しくなる。このような炭は肥料としての利用を検討するのも手。 - 湿気を含んだ炭
湿気を含んでしまった炭は、着火能力が低下しているため、再利用が困難。乾燥させることで一部の再利用が可能になる場合もある。
色々な再利用方法
- 炭を細かく砕く
細かく砕いた炭は、着火剤として再利用することができる。小さなピースは火をつけやすく、次回のバーベキューの火起こしに役立つ。 - 灰を再利用する
炭の灰は、植物の肥料として、または脱臭剤として有効に活用することができる。灰は特にカリウムを多く含んでおり、土壌の改良材としても優れている。 消臭剤として活用
天日干しして乾燥させた消し炭は、消臭剤として利用できる。靴箱や冷蔵庫、トイレなどに入れておくと、ニオイを吸収してくれる。除湿剤として利用
消し炭は湿気を吸い取る性質があるので、除湿剤としても活用できる。梅雨時期など、湿気の多い場所に置くことで、カビやダニの発生を抑制する効果が期待できる。
おわりに
バーベキューで残った炭は、適切に保存し再利用することで、環境に優しく、経済的なバーベキューを楽しむことができる。
また、残った炭はバーベキュー以外にも使えるので、そういった方面での再利用を考えても良いかもしれない。